長く株式投資を続けて勝ち続けるためには、その時々の状況に合わせて投資手法を変化させることも必要です。そこで本稿では、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が、「市場全体に合わせた変化」「株式投資に割ける時間に合わせた変化」「運用資産額に合わせた変化」の3つに分けて、どのように投資手法を変化すべきかを解説します。
株式投資は“諸行無常”…投資手法を変化させて「株で長く勝ち続ける」コツ【株式投資のプロが伝授】 (※写真はイメージです/PIXTA)

市場全体に合わせた変化

株式市場全体は、大雑把に分けても、過剰に高くなっている時期、過剰に安くなっている時期、その中間で株価が比較的適正水準な時期があります。そしてそれぞれで、考えるべきことが異なります。

 

過剰に高くなっている時期は、熱狂に流されて買いすぎず、むしろ売って現金の保有割合を高めておくのがよいでしょう。「株が上がった」というニュースを耳にしても焦らずに、買うべき株だけを買う慎重さが必要でしょう。

 

また、比較的短期で売買して早めに利益を確定しておいたほうがよさそうです。いつかはわかりませんが、いずれは暴落すると、常に考えておく必要があるのです。

 

過剰に安くなっている時期は、悲観的なムードに流されず、株を買っておくべき時期です。すぐに上がらないからといって焦って売ってはいけません。ですから、買った株を上がるまでじっくり持ち続ける忍耐力が必要でしょう。

 

また、なかなか上がらないことを想定して、配当利回りが高い株を買ってインカムゲインを狙ってもよいでしょう。いつかはわかりませんが、いずれ株価が上がっていくと、常に考えておく必要があるのです。

 

その中間で株価が比較的適正水準な時期は、過剰に高くなっている時期と過剰に安くなっている時期の中間的な対策を取るとよいでしょう。個別株ごとにしっかりと分析・評価をし、買うべきときに買い、売るべきときに売りましょう。市場全体も今後、どちらにも転びかねないと常に考えておく必要があります。

株式投資に割ける時間に合わせた変化

ライフスタイルに変化があり、株式投資に割ける時間が多くなったり少なくなったりした場合も、投資手法をそれに合わせて変化させる必要があるでしょう。割ける時間が少なくなった場合、多くなった場合、そして避ける時間帯が変わった場合について、考えてみましょう。

 

株式投資に割ける時間が少なくなった場合は、短期売買が難しくなるでしょう。たとえば土日しか売買できないならば、スキャルピングやデイトレードは当然無理で、スイングトレードや長期投資主体となるでしょう。個別株の情報収集や分析もしづらくなるので、インデックス投資なども適しているかもしれません。

 

割ける時間が少ないということは、それだけ株式投資に労力を注げないということでもあります。シンプルで、リスクの少ない方法がよいのではないでしょうか。

 

逆に株式投資に割ける時間が多くなった場合は、その時間をつかってあらゆる方法を試すことができます。昼間に売買できるならばスキャルピングやデイトレードも可能です。個別株の情報収集や分析をする時間も生まれるでしょうから、じっくり個別株を選べますし、外国株に手を出してもよいでしょう。

 

割ける時間が多いということは、それだけ株式投資に労力を注げるということでもありますので、あらゆる可能性を追求できるのではないでしょうか。

 

また、割ける時間帯が変わった場合も、投資手法を変化させる必要があるでしょう。平日の昼間に時間が割けるならば、スキャルピングやデイトレードが可能です。しかし平日の昼間に時間が割けないならば、それらの手法は不可能となります。