材料があり、株価が上がった場合
予想以上の高業績、増配、新製品の開発などの好材料が出て株価が上昇した銘柄を見つけた場合は、とにかく早く買うことに気をつけるべきでしょう。しばらく株価は上がるでしょうから、早く買うほど安値で買えてその後の利益も大きくなりますので、スピードが大切になります。
ただし、もともと割高傾向にあった銘柄を買うことや、買うのが遅れて好材料の分が株価に織り込まれたタイミングで買うことは、危険です。結局、その時点での株価が適正水準以下であるかどうかが重要なのです。
「好材料が出たけど、もともと割高傾向だった」「好材料の分、もう十分に上がってしまった」と考えられるときは、いくらまだ株価が上昇中であっても、買わないのが無難でしょう。その後、以前からの保有者が利益確定売りをして、一気に株価が下がることもあるからです。
材料があり、株価が下がった場合
保有している銘柄において、予想以上の低業績、減配、社内の不祥事などの悪材料が出て株価が下落した場合は、とりあえずそこからの回復の可能性を考えるべきでしょう。予想以上の低業績であっても、最悪黒字ならば、その会社の純資産は結局増えるわけです。
減配も、前年と比較してどの程度の割合で減ったのかということや、これまでの増配と減配の実績を考慮して翌年に増配する可能性というのも考えた方がよいでしょう。
社内の不祥事なども、一時的なものでやがて信用が回復する可能性もあります。そして、回復する可能性によって売り方を変えるとよいでしょう。
回復する可能性が低いと思うならば、すみやかにすべての株を売る。その場合は株価は長期的に下がっていく可能性が高いので、早く売るほど損失は小さくなります。
一方、回復する可能性が高いと考えるならば、売らずに持っている、または一時的な値下がりによる損失のリスクを抑えるために一部だけ売ってもよいでしょう。例えば、その後の株価下落幅が最悪でも年間配当利回り程度であるならば、持っていても実質的な損失はないのですから。
なお、保有していないそのような銘柄を見つけた場合は、下がりすぎたタイミングが買いのチャンスとなりそうです。保有者がパニック売りをして、悪材料相応以下まで株価が下落したならば、その後は値上がりしていく確率の方が高くなると考えられるからです。ただし、悪材料相応以内の下落ならば、魅力的なチャンスではなさそうです。