日々発表される統計や調査の結果を読み解けば、経済、健康、教育など、さまざまな一面がみえてきます。今回は「働き方改革と有給取得率」に焦点を当てます
有給を取らない日本人…なぜこんなにも「休むこと」を恐れるのか? ※画像はイメージです/PIXTA

「働き方」の政府目標…「有給取得率」は未達

―日本人は働きすぎ

 

そういわれて働き方改革が進められてきましたが、実際はどうなのでしょうか。

 

1980年代、日本人の平均年間実労働時間は2000時間を超えていましたが、1997年、労働基準法の改正によって、特例を除き、法定労働時間は週40時間に。平均年間実労働時間は1669時間まで減少しました。

 

また1980年には男性片働き世帯は共働き世帯の2倍いましたが、1990年代に逆転。一方で家庭での女性の負担はそれほど改善されず、結婚・出産を機に退職をしたり、働き方を変えたいとしても希望はなかなか実現しない、という状況が続いています。

 

「働き方」に関して、政策上、さまざまな目標がなされていますが、クリアしているもの、クリアできていないものがあります。クリアしているものは、「長時間労働者の割合」「子育てサービス提供数」「就業率」。一方、クリアできていないのが「年次有給休暇取得率」「男性の育児休業取得率」など。

 

【政府目標に対して「目標達成」の項目】

※数値:左は現在値、右(かっこ)内は目標

■週労働時間60時間以上の雇用者の割合
5.1%(5%)

■保育等の子育てサービスを提供している数/認可保育所等(3歳未満児)
収容児童数約111万人/定員数約120万人(116万人)

■保育等の子育てサービスを提供している数/5放課後児童クラブ
約131万人(122万人)

■就業率20~64歳
82.2%(80%)

■就業率20~34歳
80.6%(79%)

■就業率25~44歳(女性)
77.4%(77%)

■就業率60~64歳
71.0%(67%)

 

【政府目標に対して「目標未達成」の項目】

※数値:左は現在値、右(かっこ)内は目標

■年次有給休暇取得率
56.3%(70%)

■労働時間等の課題について労使が話し合いの機会を設けている割合
60.5%(すべての企業で実施)

■メンタルヘルスケアに関する措置を受けられる職場の割合
59.2%(100%)

■短時間勤務を選択できる事業所の割合(短時間正社員制度等
16.7%(29%)

■自己啓発を行っている労働者の割合/正社員
39.2%(70%)

■自己啓発を行っている労働者の割合/非正社員
13.2%(50%)

■第1子出産前後の女性の継続就業率
53.1%(55%)

■男性の育児休業取得率
7.48%(13%)

■6歳未満の子どもをもつ夫の育児・家事関連時間
83分(2時間30分)

 

出所:内閣府『仕事と生活の調和(ワーク・ライフ・バランス)統括文書2007~2020』