投資商品はあまりにも「不確定要素」が多すぎる
連載第1回から引き続き、お金の問題を可視化する「マネーパズル」を埋める方法について見ていきましょう。
将来必要になるお金を、株などのハイリスクな投資商品で準備するのは、あまりにも不確定要素が多すぎます。
もともと余剰資金があって、結果的に増えたらパズルにあてる、というならよいかもしれませんが、限られた資金で効率よく「必要な」お金を準備するなら、ほぼ確実に用意できる計画性が求められるのです。
それに、蓄財は長期で行うものですから、ギャンブル性の高い商品に投資してしまうと長きにわたってリスクを負い、ストレスを感じ続けることになります。
株価が上がるのか下がるのか、いつ暴落するか、売ってしまうべきかどうか・・・これでは将来の不安が消えるどころか、毎日が不安でいっぱいになってしまいます。
ひたすら預貯金をすることが確実ではあるが・・・
このように考えていくと、おのずと残る選択肢は限られてきます。
一つは、ひたすら預貯金をすることです。預貯金がたくさんあれば、ほとんどのパズルのマスを埋めることができます。誰が突然亡くなっても、病気になっても、お金の不安を感じずに済みます。潤沢な資金の中から教育費や介護、老後の生活費を捻出し、将来の夢を叶えることもできるでしょう。
そのため、たとえば相続で莫大なお金を手に入れた人、宝くじで何億円も当てた人などは、(それをやみくもに使わなければ)別に運用を考えなくても、一生お金に困らないはずです。考えなければいけないのは、税金対策だけです。
しかし、そうではない一般的なサラリーマンの場合は、いくら懸命に貯めたとしても、普通は定年までに2000万~3000万円も貯まっていれば、かなりいいほうでしょう。
ですが、それだけでは老後資金が不足するかもしれませんし、介護などの問題に直面したときに、やや不安が残ります。そのため、やはり何か効率的な蓄財術を考えたほうがいいということになります。