資金繰りへの心配から不動産投資を避ける人は多い
前回説明したように、不動産投資のハードルは意外と低いのですが、一方で「どうしてもローンを組むのが心配」という声もよく耳にします。たしかに、家賃収入をあてにしてローンを組んだものの、部屋が空室になって収入が途絶え、毎月ローン返済だけ迫られる・・・そんなことになったら、目も当てられません。
実際、サラリーマンオーナーの中にはそれで資金繰りに行き詰まり、不動産を手放してしまう人もたくさんいます。しばらく返済が滞ると、銀行は一括での完済を要求してくるため、そのためには不動産を大急ぎで売却しなければならなくなります。
そうなると、買い手に足元を見られてしまい、なかなか高く売ることもできません。結果として、大きな損をしてしまいます。
不動産投資で一番怖いのは、そのような事態を招くことです。それが怖いからこそ、不動産投資を避ける人は多いわけですが、この問題を解決する方法が1つだけあります。それは、「サブリース」を活用することです。
管理会社が家賃を毎月保証してくれる「サブリース」
サブリースとは、管理会社がオーナーから物件を借り上げて、第三者に転貸するという仕組みです。その際、管理会社はオーナーへの家賃を毎月保証するという契約を結びます。言葉で説明するとわかりにくいかもしれませんが、要するに下記図表のような状況を作るのです。
[図表]サブリースの仕組み
オーナーからすると、貸している相手は管理会社になるので、サブリース契約を結んでいる間は、原則として空室リスクに悩まされることはありません。常に一定の収入を保証してもらうことができます。
加えて、入居者の募集や契約、何らかのトラブルやクレームが発生したときの対応も、管理会社に一任できます。
管理会社は、第三者である入居者から家賃を受け取りますが、通常その家賃は、オーナーへの保証家賃に、管理会社の取り分などを上乗せした金額設定になっています。そのため、入居者が入っている間は、管理会社もきちんと利益を確保できるわけです。
管理会社の中には、サブリースを取り扱っていないところもたくさんありますが、基本的にはサブリース契約ができる会社を選んで、空室リスクを回避していったほうがいいでしょう。