悪質な契約を提案する会社が存在するのは事実
メリットの多いサブリースですが、実は問題点もたくさんあります。
まず、サブリースを行う管理会社選びが難しいというハードルがあります。「悪質」といっても過言ではないような管理会社も、少なからず存在しているからです。
筆者が弁護士から話を聞いた限りでも、悪質なサブリース契約を提案している管理会社はいくつもあります。そんな会社に引っかかってしまい、結果的に物件を失って、借金を抱えてしまった大家さんも、たくさんいるようです。
そのため、サブリース契約を結ぶ相手は、慎重に選ばなければなりません。このように脅すと、サブリース自体が怖くなってしまいそうですが、本来サブリース自体はとてもいい仕組みなので、いい会社を選んで、うまく活用していきましょう。
管理会社選びで知っておくべき「5つのポイント」
①サブリース契約の「契約更新」の取り決めに注意する
サブリース契約は、会社によって異なりますが、多くは2年ごとに更新されます。更新される内容は、主に保証家賃の金額です。更新時の保証家賃に関して、オーナーの合意もなく、管理会社の側が一方的に引き下げられるような取り決めになっている場合は、契約しないほうがいいでしょう。
悪質な管理会社は、最初から2年後の契約更新で賃料を大幅に引き下げることを前提として、当初の保証家賃を高めに設定していることがあります。10万円だった保証家賃が7万円などに下げられたら、ローン返済額が保証家賃を上回り、毎月赤字になる可能性も高いでしょう。
②契約解除時の違約金に注意
途中で「このサブリース契約は微妙だし、管理会社もよくないかも」と気づいたとしても、オーナーの側が契約を解除すると、違約金をとるケースもあるようです。しかも、「家賃の1年分」「家賃の2年分」など、かなり高額の違約金を設定している場合があるので、この点も注意しておきましょう。
③免責期間が長いと、家賃収入が長く途絶えてしまう
サブリース契約では、たいてい免責期間が設けられています。免責期間とは、対象の物件が空室時に家賃を保証しない期間のことです。
たとえば免責期間が180日くらいあったりしますが、この場合は最大で6カ月も家賃収入が得られなくなってしまいます。よって、免責期間が長すぎないことを、必ず確認のうえで契約すべきです。
④修繕に関する取り決めがどうなっているかチェック
ある程度時間が経てば、物件の修繕も必要になります。契約書の中で「修繕を管理会社に依頼する」ということが明記されているケースもあるはずです。
悪質な会社だと、その修繕について、相場よりもかなり割高なコストで行い、高い費用を請求されることがあります。文句を言いたくても、契約上、修繕は管理会社に依頼することになっているので、泣き寝入りするしかないわけです。
⑤管理費が高すぎない会社を探す
管理会社によっては、サブリースと物件管理の手数料を割高に設定しているところもあります。良心的な会社は家賃の10%前後としていますが、中には20%を超える手数料をとるところもあります。
高い会社を選ぶと、収支がマイナスになってしまうこともあるので、20%を超えたら高いと判断し、なるべく10%台前半という設定になっている会社を選びましょう。