前回は、不動産売却の成功に欠かせない「目的の明確化」について説明しました。今回は、現在の不動産市況を踏まえた「売却のタイミング」について見ていきます。

最高値が付きやすい時期であることは間違いない!?

需要と供給でいえば、収益不動産の供給量が少ない中で、買い手のほうが多くいるため、売主にとって有利です。「買い時」か「売り時」かと問われれば、間違いなく後者でしょう。不動産価格の上昇は、銀行の融資状況と相関しています。銀行が融資を出しやすい状況下では、物件に高値が付きやすいのです。

 

また東京オリンピック開催決定などを受けて、海外の投資家が日本の不動産を買い漁っています。加えて、不動産投資ブームが過熱して収益不動産を探している人が多いという昨今の情勢も、売りやすい市況のひとつの要因となっています。

 

金融機関の動向、経済状況、需給バランス、買い手と売り手のバランスなど・・・。あらゆる要素を総合的に見ても、最高値が付きやすい時期であることは間違いないでしょう。

 

とはいえ、もちろん売りに出すときには冷静な判断が必要です。売る理由や目的によって最適な売り時は変わります。各々、異なる戦略を立てていく必要があるのです。

売りに出すなら1~2月や7~8月くらいがベスト

不動産投資家が「物件が足りない」と思うときこそ、売却には最適のタイミングです。売り手に比べて買い手が多くいる市況では、売り手にとって有利な取引がしやすいのです。逆に物件がたくさんある印象を持つときは売り時ではありません。現状、収益不動産は品薄とされており、絶好の売却タイミングなのです。

 

また1年間でも、市場が活発になる時期があります。金融機関の決算月は、一般的に3月と9月。売りに出すなら、その前月である1~2月や、7~8月くらいがベストです。なぜならその時期、営業ノルマを果たすために、金融機関が融資に対して積極的になるのです。

 

1月から販売を始めて、レスポンスを見ながら売値を調整する。そして3月20日前後を目処に売れなければ、情報を取り下げます。市況からいうと、3月25日以降は動きがにぶくなるからです。

 

また、12月も売却には最適な時期です。というのも、「どうしても年内に物件を買いたい」というニーズがあるからです。前述の動きは金融機関に影響を受けてのものですが、12月は、個人の確定申告の期限が背景にあります。「今期はもうけ過ぎたから、経費を使いたい」とか「不動産を購入して、経費計上をしたい」などのニーズがあるわけです。

 

買い手側の心境を理解して、先手先手で攻めていくこと――そこに高値売却成功の秘訣があります。

本連載は、2015年10月26日刊行の書籍『万年赤字物件を驚異の高値で売る方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

万年赤字物件を 驚異の高値で売る方法

万年赤字物件を 驚異の高値で売る方法

新川 義忠

幻冬舎メディアコンサルティング

不動産投資ブームが過熱する中、多くのサラリーマン投資家が誕生しています。家賃収入で不労所得を得たい・・・皆、そんな夢を描いて収益不動産を購入するのですが、誰もが成功しているわけではありません。 そもそも、全国の…

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