不動産市場における「物件が少ない」という声は本当なのか?

前回は、現在の不動産市況を踏まえた「売却のタイミング」について説明しました。今回は、現在の不動産市場における「物件が少ない」という声は本当なのか、データをもとに見ていきます。

流通する物件の数はむしろ多くなっているが・・・

不動産投資家からよく聞かれる、「物件が少ない」という声。果たしてそれは本当なのでしょうか。

 

現在、流通している物件数が少ないわけではありません。むしろ、不動産市況自体は活況を呈しており、それと比例して不動産会社の数も増えています。

 

不動産適正取引推進機構が、平成27年3月末時点のデータを取りまとめた統計によると、宅地建物取引業者の総数は12万2685。その数は、9年ぶりに増加しているそうです。この数字は、不動産業界が活況を呈していることを裏付けています。

 

[図表]宅地建物取引業者数の推移

 

流通する物件の数は十分にあります。ところが「駅10分以内、利回り10%以上、平成築」など、不動産投資家の要望に合った物件は多くありません。

 

不動産投資ブームの影響もあり、10年前に比べて物件を探す人の数も増えています。不動産投資家間、また業者間での競争も激しくなっている中で、魅力のある物件はすぐに売れてしまうのです。

 

そうなれば、自分の希望するような条件の物件を見つけるのは、極めて難しくなります。ニーズに対する供給量が少ないため、「物件が少ない」という声が上がっているのが現状なのです。

不動産業者は「他社と重複した情報」でも掲載する

収益不動産専門のポータルサイトを見れば、物件が数多く供給されているかのような印象を受けます。

 

しかし、条件を決めて検索していくと、「これは同じ物件だな」というものが複数ヒットします。掲載件数が多いように見えても、同じ物件を複数社が取り上げているだけで、実数はひとつしかないということもあります。

 

多くの収益専門の不動産業者は、ポータルサイトと定期契約を締結しています。契約した広告枠については使い切りたいと考えているため、他社と重複した情報でも掲載するのです。

 

また、掲載情報が少なくなれば、その会社の手持ちが少ないような印象を与えてしまうという懸念も背景にあります。ひとつの物件が複数社に取り上げられている背景には、このような事情があるのです。

本連載は、2015年10月26日刊行の書籍『万年赤字物件を驚異の高値で売る方法』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載万年赤字物件を高値で売る「知識とノウハウ」

富士企画株式会社 取締役兼営業部長

1972年、福岡県北九州市生まれ。デザイン学校を卒業後、住宅設備会社勤務を経て、不動産投資専門会社に入社。トップ営業マンとして、1,000件以上の物件売買に携わる。2012年、富士企画株式会社を設立。現在は、個人投資家向けに不動産投資のアドバイスや物件紹介、購入後のサポートを行っている。

著者紹介

万年赤字物件を 驚異の高値で売る方法

万年赤字物件を 驚異の高値で売る方法

新川 義忠

幻冬舎メディアコンサルティング

不動産投資ブームが過熱する中、多くのサラリーマン投資家が誕生しています。家賃収入で不労所得を得たい・・・皆、そんな夢を描いて収益不動産を購入するのですが、誰もが成功しているわけではありません。 そもそも、全国の…

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