廃院とM&A――それぞれのメリット・デメリットとは?

前回は、「クリニックM&A」の概要について説明しました。今回は、「廃院した場合」と「M&Aでクリニックを残す場合」ではそれぞれどのようなメリット・デメリットがあるのか、具体的に見ていきます。

廃院にはメリットがほとんどない!?

廃院した場合とM&Aでクリニックを残す場合ではどのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか。具体的に見ていきましょう。

 

●廃院した場合

 

【メリット】

・自分の意志だけで決断可能

・後継者問題で家族を煩わせなくて済む

 

【デメリット】

・廃院するためのコストがかかる

・地域医療が失われる

・患者がかかりつけ医を失う(継続治療が必要な患者には、事前に信用できる転院先への紹介が必要)

・従業員が失職する

・廃院が近づくにつれ、従業員のモチベーションが低下したり、退職者が出たりすることがある

M&Aはプロに任せることで負担を大幅に軽減可能

●M&Aによりクリニックを承継した場合

 

【メリット】

〈法人・個人共通〉

・廃院コストがかからない

・クリニックの譲渡益(営業権も含め)を得られる

・後継者問題を解決できる

・借入金などに対する個人保証や担保提供を外すことができる

・労務問題や資金繰り問題から解放され、本来の医業に集中できる

・クリニックは医療行為を継続できるため、地域医療や患者に対して貢献し続けられる

 

〈法人〉

・医療法人に不動産を賃貸している場合、引き続き賃貸収入を受けられる

・退職金、出資持分譲渡などのコントロールがしやすく、創業者利益を得ることができる

 

【デメリット】

・後継ぎ側とのマッチングを考えなければならない

・望む通りのタイミングで承継できないこともある

・譲渡益への税金がかかる

 

このように、廃院にはほとんどメリットがありません。その一方で、デメリットはかなり目立ちます。

 

廃院に比べてM&Aのメリットが大きいことが分かります。デメリットとしてマッチングの問題や税金の問題などもありますが、これらはプロに任せることで負担やリスクを大幅に軽減することが可能です。

本連載は、2015年9月25日刊行の書籍『開業医のためのクリニックM&A 』から抜粋したものです。その後の税制改正等、最新の内容には対応していない可能性もございますので、あらかじめご了承ください。

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連載開業医のハッピーリタイアを実現する「クリニックM&A」の進め方

岡本雄三税理士事務所 代表
株式会社MARKコンサルタンツ 代表 

岡本雄三税理士事務所代表。株式会社MARKコンサルタンツ代表。税理士、行政書士、宅地建物取引士、M&Aシニアエキスパート、経済産業省認定経営革新等支援機関。1967年生まれ。1991年、早稲田大学商学部卒業。1998年、岡本雄三税理士事務所開設。2000年、公益社団法人日本医業経営コンサルタント登録。個人医院の開業、医療法人の設立、税務など、医業コンサルティング業務のほか、一般法人の税務、事業承継、M&A支援、資産税にかかわるコンサルティング業務を手掛ける。

著者紹介

開業医のためのクリニックM&A

開業医のためのクリニックM&A

岡本 雄三

幻冬舎メディアコンサルティング

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