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毎月3万円の仕送りを続けた52歳息子。「親孝行はできている」と思っていた
「母さんも年金だけじゃ生活が苦しいだろう」
東京都内で会社員として働く田中誠さん(52歳・仮名)は、78歳で亡くなった母親のことを振り返り、そう話します。
誠さんは高校卒業後、進学を機に実家を離れました。その後、就職してからも地元に戻ることはなく、母親とは離れて暮らしていました。
父親は誠さんが30代のころに他界。母親は地方の持ち家で一人暮らしを続けていました。
母親の年金収入は月10万円ほど。地方の持ち家暮らしとはいえ、余裕のある金額ではないのは明白です。
誠さんは40代に入ったころから、母親の生活費を心配するようになります。
「少しでも助けになればと思ったんです」
始めたのは月3万円の仕送り。毎月1日に、母親の口座に振り込む。妻と話し合い、無理なく援助できる金額でした。
口座に振り込むと母親からは「ありがとう。助かるよ」と電話が入るのがお決まり。誠さんは、その言葉を聞くたびに安心していたといいます。
「私も仕事で忙しいですし。とはいえ、月1回は元気な声が聞ける。経済的にも支えてあげられている。そう思っていました」
実家に帰るのは、年に1度、正月休みのとき。
「妻も地方の人間なので、お盆は向こうの実家に、正月はこっちの実家に。結婚以来、ずっと続けてきた習慣でした」
月3万円の仕送りに、月1度の電話、年1回の帰省。連絡も帰省も多いとはいえないものの、親孝行できているという自負はあったそうです。
総務省統計局『家計調査年報(家計収支編)2025年』によると、65歳以上の単身世帯における月平均の消費支出は15万5,782円となっています。
主な内訳は食料費が4万3,862円、光熱・水道費が1万5,527円、保健医療費が9,665円です。母親の年金(月約10万円)に仕送り3万円を加えた月13万円の収入があったとしても、平均的な消費支出(約15.5万円)を下回っています。
持ち家で住居費が抑えられていたとして、仕送りだけでは家計の不足分を完全に補いきれていなかった可能性も考えられるでしょう。