「どうやったらお金持ちになれますか?」よく聞かれる質問です。お金持ちの家に生まれた人も、さかのぼれば誰かが最初に資産を築いたはず。では、自分がその最初の一人になるにはどうすればいいのでしょうか。例えば住宅購入時、手元資金1,000万円を頭金にするのか、運用するのか。「借金は少ないほうがいい」という考え方を変えることで、資産形成の選択肢が広がります。大家歴25年、総資産約9億円の現役CFPである竹下昌成氏が解説します。
「どうやったらお金持ちになれますか?」資産9億円の現役大家CFPが、何度も聞かれる質問に〈借金を増やしてごらん〉と言ったワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

「どうやったらお金持ちになれますか?」

私は30歳から不動産投資を始め、現在は約50室を所有しています。総資産は約9億円、借入金は約3.3億円です。


FPやセミナー講師をしていると、こんな質問を受けることがあります。


「どうやったらお金持ちになれますか?」


まず、お金持ちとは何でしょうか。私は一つの目安として、


・純資産1億円以上
・年収1,000万円以上


この両方を満たしている状態と考えています。

 

資産が多くても収入が少ない人、収入が多くても資産がない人もいます。資産と収入、両方が大切です。


では、もう一つ質問です。


「お金持ちは、いつからお金持ちなのでしょうか?」


生まれたときからお金持ちだった人もいます。


でも、その親は? 祖父母は?


ずっとさかのぼれば、どこかの世代で誰かが資産を築いたはずです。


答えはシンプルです。


「誰かが頑張ったから」


自分で資産を築いた人もいれば、親や祖父母が築いた資産を受け継いだ人もいます。


今、お金持ちでない人も、自分が最初の一人になればいいわけです。

お金持ちになる方法は、大きく3つ

では、資産はどうやって築くのでしょうか。


私は、大きく3つに分けて考えています。

  1. 相続する
  2. 徹底的に節約してお金を残す
  3. 投資する(事業・株式・不動産など)


相続は、自分では選べません。節約は誰でも取り組めますが、収入が限られていれば、貯められる金額にも限界があります。


そこで考えたいのが投資です。投資といっても、株式や投資信託だけではありません。事業を始めることも、不動産を所有することも資産形成の方法です。


さらに重要なのが、「自力」と「他力」です。自分で働いて稼ぎ、貯めたお金を運用するのが自力。

 

一方、金融機関からお金を借りて資産を取得する方法もあります。つまり、借入の活用です。


例えば住宅ローンも、借入の一種です。


数千万円の住宅を全額現金で購入できる人は多くありません。しかし、住宅ローンを利用すれば、手元資金だけでは購入できない住宅を取得できます。


借入は、単に返済するだけの負担ではなく、資産を取得するための手段にもなるのです。住宅購入時の1,000万円。借金を減らす? あえて増やす?


ここで、具体的な例を考えてみましょう。


住宅を購入する際、手元に1,000万円あるとします。


多くの人は、「頭金を1,000万円入れれば、住宅ローンが減って安心だ」と考えるでしょう。


もちろん、それも正しい選択です。でも、逆に考えてみてください。


「住宅ローンを1,000万円多く借りれば、手元の1,000万円を別のことに使えるのでは?」


例えば、住宅ローンを活用して自宅を購入し、手元の1,000万円で別の不動産を購入する方法です。


仮に、1,000万円で利回り5%の賃貸物件を購入したとします。年間の家賃収入は50万円。毎月約4万1,000円の家賃収入が生まれます。


もちろん、管理費や修繕費、固定資産税、空室などを考慮する必要があります。家賃収入がそのまま利益になるわけではありません。また、住宅ローンを1,000万円多く借りれば、その分の金利や返済負担も増えます。家賃収入と追加の借入負担を比較する必要があります。


それでも、

  • 1,000万円を頭金にして、借金を減らす
  • 1,000万円を手元に残して、家賃収入を得る


という2つの選択肢があります。


同じ1,000万円でも、借入の使い方によって資産形成の可能性は変わります。


多くの人は、借金を減らすことを優先します。でも、私は借入を増やすことが、資産形成のチャンスになる場合もあると考えています。住宅購入は、人生で最も大きな買い物の一つです。同時に、大きな借入を活用できる機会でもあります。

 

さらに、将来の売却や賃貸まで考えて住宅を選ぶ方法もあります。住み替えを活用して資産を増やしていく、私が「ヤドカリ戦略」と呼んでいる考え方です。


住宅ローンで購入した自宅を賃貸に出す場合には、金融機関との契約や承諾などの確認が必要です。そこで、小さな物件を購入して住宅ローンを返済し、次にもう少し大きな住宅を購入する。返済済みの物件を賃貸に出す。


これを繰り返して、賃貸物件を増やしていくイメージです。

 

もちろん、実際にこうした方法を活用できる人は、ほとんどいないと思います。ただ、住宅購入時にこんな選択肢があると知っているだけでも、考え方は変わるのではないでしょうか。