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住宅ローンは35年。子どもとの時間は戻らない
人生の三大資金は、住宅・教育・老後です。住宅にお金をかければ、教育や老後に使えるお金は減ります。例えば、住宅購入のために毎月3万円多く支出すれば、20年間で720万円です。しかし、問題は金額だけではありません。
子どもの部活動や家族旅行、みんなで外食した思い出は、その時にしか作れません。
住宅ローンは35年かけて返済できても、子どもが小学生だった時間、中学生だった時間は二度と戻ってきません。立派な家を手に入れるために、家族との大切な時間を犠牲にしていないでしょうか。私は、住宅を購入する際には、こうしたことまで考えてほしいと思っています。
教育費についても、費用と得られるもののバランスを考えます。大学に進学するなら、何を学び、将来どのような仕事につなげるのか。学費や生活費はいくら必要なのか。奨学金や授業料減免などの制度も確認しておきたいところです。
また、クルマも大きな支出です。購入費用だけでなく、保険、税金、車検、ガソリン、駐車場代などがかかります。駅に近い住宅を選び、クルマを所有せずに生活する。必要なときだけタクシーやカーシェアを利用する。住宅費を抑えたり、クルマを持たなかったりすることで、家族旅行や教育にお金を回すこともできます。
何にお金をかけ、何を抑えるのか。家庭ごとに優先順位を決めることです。
家は何度でも買える。老後資金は逆算して準備する
私は、家を「一生に一度の買い物」と考える必要はないと思っています。子どもが小さいとき、成長したとき、独立したあとでは、必要な住まいも変わります。中古住宅を購入してリフォームする方法もあれば、住み替える方法もあります。将来売却できるか、賃貸に出せるかも考えておくと、選択肢が増えます。
一方、老後資金は早くから準備する必要があります。65歳で退職して、公的年金に加えて毎月10万円の収入が欲しいなら、そのための資産や収入源を現役時代から用意しておく。私は、目標から逆算する考え方を重視しています。住宅ローンを払い終えたら老後の準備を始めよう、では遅い場合もあります。
また、子どもが経済的に自立できれば、親も自分の老後に備えやすくなります。お金を与えるだけではなく、お金の管理や稼ぎ方を教えることも大切です。
家計の見直しは、食費を数百円削ることだけではありません。住宅を少し小さくする。クルマを持たない。教育費を優先する。収入を増やすために資格を取る、副業を始める。
「家さえ買えれば、あとは我慢」では、何のために家を買ったのかわかりません。
家計の見直しとは、収入と支出のバランスを整え、自分や家族が望む生活にお金を使えるようにすることだと思います。
準備とメリハリで豊かな生活を。
竹下 昌成
竹下FP事務所 代表
日本FP協会認定CFP・TAC講師