(※写真はイメージです/PIXTA)
介護による共倒れを防ぐには
認知症の初期段階では、物忘れなどの記憶障害だけでなく、「物盗られ妄想」や「記憶の置き換え」、感情の起伏が激しくなる症状が顕著に現れることがあります。
特に、お金の管理や大切なものの保管において「自分が仕舞った場所を忘れる」と、脳が自身の失敗を認識できず、「一番身近にいる頼れる存在」に対して「盗られた」と被害妄想をしてしまい、攻撃の矛先を向けやすくなる特徴があります。また、過去の人間関係のトラブルについても、自己防衛の心理から記憶が歪められ、周囲のせいに仕立ててしまうケースも珍しくありません。
高齢者の生活実態と認知症介護を取り巻く環境を公的データから確認すると、介護を担う家族の負担感が大きいことがうかがえます。
総務省統計局『家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果』によると、65歳以上の単身無職世帯における月平均の消費支出は14万8,445円、非消費支出を加えた実支出は16万1,429円です。年金等の実収入(月平均13万1,456円)に対して毎月約3万円の不足が生じるなかで、金銭管理の不安や日常の生活費のやりとりは、高齢者本人にとって大きなストレス源となります。
また、厚生労働省『認知症施策推進総合戦略(2024年)』によると、認知症高齢者を在宅で支援する家族の約6割以上が「精神的な負担や疲労感」を抱えており、その要因の多くが「感謝されない徒労感」や「暴言・物盗られ妄想への対応」に集中しています。
「優しい娘で幸せだ」という言葉も、「底意地が悪い」という暴言も、その瞬間の本人の感覚としては偽りのないものですが、病気によって感情のブレーキや状況の辻褄を合わせる機能が低下しているために生じる現象です。
家族だけでこの感情の揺れを受け止め続けると、共倒れになってしまう危険性があります。お金の受け渡しや日々のサポートにケアマネジャーや地域包括支援センターなどの第三者を挟み、身内以外の目を入れることで矛先を分散させたり、介護者自身が親と一定の距離を保つ時間を作ったりすることが、長期間にわたる介護と自身の心を護るための現実的な対応策となります。
【注目のセミナー情報】
【資産形成】11月5日(木)※明日開催
富裕層のための「資産防衛と運用」
相続を見据えた「資産の守り方・育て方」のコツ
【資産運用】11月14日(土)
米国株で「10倍株(テンバガー)」を狙うには?
最新AIを活用した「銘柄発掘・分析」のノウハウ
【資産戦略】11月25日(水)
約30年ぶりの大金利変動の今しかつかめない?
新たな「お宝保険」の全貌