「家族葬なら安く済む」…親の口座凍結で焦った59歳長男の決断

トモキさんは地方の中堅メーカーに勤めており、月収は約48万円です。住宅ローンの返済や息子の教育費がかかっており、年間収支はトントンで、貯金はほとんどない状態でした。

そんなある日、トモキさんの母・ハルコさん(享年83歳)が急逝。トモキさんは葬儀代を母親の貯蓄から払おうと考えていました。

しかし、銀行は口座名義人の死亡を知ると、相続手続きの間、口座を停止します。母親名義の預金は約500万円ありました。

「遺産があるのに、目の前の葬儀代が払えない」という状況が、トモキさんを焦らせました。

葬儀社に連絡すると「20名ほどの家族葬プランなら40万円」という回答があり、疲労と焦りのなかでトモキさんは、すぐに契約しました。「親族だけなら香典もいらないし、安く済むだろう」と思っていました。

「プラン40万円」のはずが…「支払い約85万円」の事実に直面

ところが、告別式を終えて精算書を見ると、支払額は約85万円と、プラン料金の2倍以上になっていました。プランに含まれない「追加費用」が次々に上乗せされていたのです。

特に想定外だったのは安置料でした。火葬場の空きを待つ4日間、遺体を安置するだけで1日1万1,000円。さらに火葬場が遠く、マイクロバス代もかさみました。

この手の「プラン料金≠支払総額」の齟齬は珍しくありません。国民生活センターにも葬儀料金の相談は多く、2026年6月には「家族葬だから安いとは限らない」として注意喚起を発表。「家族葬50万円」の表示を見て依頼したら、明細のない見積書のまま総額200万円を超えたという相談事例も紹介されています。