入居一時金3,000万円…74歳女性が選んだ「ホテルのような高級老人ホーム」

ヤヨイさん(仮名・74歳)の年金受給額は月15万円。貯蓄額は約3000万円です。夜にトイレへ行こうとして転倒したことをきっかけに、長年住み慣れた自宅を売却し、都内にある「高級老人ホーム」への入居を決めました。

入居一時金は3,000万円で、月々の費用も決して安くはありませんが、自宅を売却した資金と貯蓄で資金面は問題ありませんでした。ホテルのラウンジと見紛うような豪華なエントランス、美味しい食事、そして行き届いたサービス。

「ここなら体調を崩しても安心だし、優雅な老後を送れるはず」

そう信じて疑わずに新生活をスタートさせたヤヨイさんでしたが、入居からわずか1ヵ月後、思いもよらない不満を抱えることになりました。

「どうしてこんな対応を…」夜間のナースコールで見えた“手厚いケア”の現実

きっかけは、ある夜のことでした。トイレへ付き添ってもらいたいと思い、枕元のナースコールを押したヤヨイさん。「すぐに駆けつけてくれるだろう」と思っていましたが、いくら待っても誰も来ません。

結局、スタッフが部屋にやってきたのは15分以上が経過してからでした。慌ただしく入ってきた若いスタッフは「すみません、他のお部屋で対応が重なっていて」と一言。

夜間にどのような体制で見守られているのかわからず、ヤヨイさんは不安を覚えました。

また別の日には、日常のちょっとした介助を頼もうとした際、スタッフから「今忙しいのであとでもいいですか?」と素っ気ない態度をとられたり、友達感覚のような馴々しい言葉遣いで接せられたりすることもありました。

「ここは高額な費用を払っている高級老人ホームですよね? どうしてこんな対応をされなければいけないのでしょうか」

ヤヨイさんの胸のなかには、「こんなはずじゃなかった」という失望と不満が次第に積もっていきました。