孫に欲しいものをせがまれると、つい買ってあげたくなるものです。しかし、年金生活では自分たちの暮らしも大切にしなければなりません。孫への出費は、単に財布のひもを締めればよいという話でもないでしょう。ある男性と小学2年生の孫のやり取りから、お金との向き合い方を考えます。※本記事に掲載している事例は、プライバシー保護および情報の一般化のため、実際の相談事例をベースに一部の数値や設定を変更・再構成したモデルケースです。
「あのおもちゃ、買って!」 …駄々をこねる小2の孫を〈ぴたりと黙らせた〉76歳祖父の一言 ※写真はイメージです/PIXTA

祖父の一言で孫の顔つきが変わった

茂さんは、そこで孫に、こう声をかけました。

 

「じゃあ、どう頼んだらお母さんが『いいよ』と言ってくれるか、一緒に考えてみようか」

 

孫の顔つきが変わりました。

 

「おじいちゃんも考えてくれるの?」

 

孫と作戦会議が始まりました。

 

――なぜお母さんはダメだって言ったんだろう

 

孫は考え込みました。以前、母親から「ゲーム機を買うと、ゲームばかりするようになるからダメ」と言われたことを思い出しました。

 

「じゃあ、どう遊べばお母さんが納得するか、考えてみようか」

 

孫は、学校の宿題を終えてから遊ぶこと、遊ぶ時間を決めることなど、自分なりの考えを話し始めました。茂さんは、母親が必ず許してくれるとは約束しませんでした。あくまでも、孫が自分で考え、親に相談するための手伝いをしたのです。孫は、まるで秘密の計画を立てるように、祖父と相談を続けました。いつの間にか、買ってもらえないことへの不満よりも、どうすれば自分の希望を伝えられるかに関心が移っていたのです。

 

「あのあと、娘には孫とのやり取りを伝えました。あとは親子で話し合って決めてくれたら」

 

金融経済教育推進機構(J-FLEC)は、小学生向けの教材「おこづかいから学ぶお金の話」を公開しています。そこでは、お金の使い方や貯め方を学ぶ内容が扱われています。限られた金額のなかで何を買うかを考えることは、子どもが身近な場面からお金について学ぶ機会になります。今回の孫のように、欲しいものの値段を確かめ、手持ちのお金で買えるかを考えることも、その入り口といえるでしょう。

 

孫へのプレゼントや小遣いは、祖父母にとって大きな楽しみです。一方で過剰になりすぎて、生活に影響を及ぼすケースも珍しくありません。孫の成長に合わせて、お金との向き合い方を教えてあげるのも、祖父母ができる役割のひとつといえそうです。