住宅ローンの変動金利が上昇し、借り換えや繰り上げ返済を考える人が増えています。しかし、金利が上がったからといって、すぐに行動することが正解とは限りません。大阪府在住の50代夫婦から寄せられた相談をもとに、借り換え、金利交渉、繰り上げ返済、そして「何もしない」という4つの選択肢を紹介します。教育費や団体信用生命保険、インフレとの関係も踏まえ、現役大家であるCFPの竹下昌成氏が住宅ローンとの付き合い方を考えます。
「変動から変動への借り換えもできますよ」金利上昇後の住宅ローンの返済に怯える50代夫婦に現役大家CFPが提示した〈4つの選択肢〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

「変動金利が上がるなら、固定金利に借り換えた方がいい?」

大阪府にお住まいの50代のご夫婦から、住宅ローンについて相談を受けました。

 

ご夫婦には中学生と小学生のお子さんがいます。11年前に4,500万円の戸建て住宅を購入し、地元の地方銀行で変動金利の住宅ローンを利用しています。最近の金利上昇を受け、今後の返済に不安を感じるようになったそうです。

 

ご夫婦が考えていた対策は、主に2つでした。

 

一つは、変動金利から固定金利への借り換え。もう一つは、手元の預貯金を使った繰り上げ返済です。どちらも住宅ローンの金利上昇対策として、よく挙げられる方法です。

 

しかし、私はまず、現在の借入残高、適用金利、残りの返済期間を確認し、金利が上がった場合の返済額をシミュレーションすることを勧めました。

 

金利が0.5%上がる場合と1%上がる場合では、負担額は違います。残りの返済期間によっても影響は変わります。また、変動金利には、返済額の見直しに関するルールが設けられている商品もあります。金利が上昇しても毎月の返済額がすぐに増えるとは限りませんが、利息負担は増えるため注意が必要です。

 

まずは、自身の住宅ローンへの影響を数字で確認することから始めます。

選択肢1:変動金利から変動金利への借り換え

借り換えを検討する場合、変動金利から固定金利への変更を思い浮かべる人が多いでしょう。ただし、変動金利が上昇しているときには、固定金利もすでに上昇していることがあります。

 

固定金利に借り換えれば、固定期間中の金利上昇リスクを抑えられますが、当初の返済額が増える場合もあります。また、借り換えには事務手数料や登記費用なども必要です。

 

そこで検討したいのが、「変動金利から変動金利への借り換え」です。

 

住宅ローンの適用金利は、銀行の基準金利から優遇幅を差し引いて決まることが一般的です。11年前に借りた住宅ローンと、現在の新規借入向け住宅ローンでは、優遇条件が異なる場合があります。より有利な条件で借り換えられれば、同じ変動金利でも負担を軽減できる可能性があります。