(※写真はイメージです/PIXTA)
「お義姉さんの老後まで面倒を見るの?」
義母は74歳、義父は76歳。2人ともすでに仕事を引退しており、年金で暮らしています。実家は持ち家で、住宅ローンも完済しています。現在、義姉は両親と3人で生活していますが、いずれ義両親が亡くなれば、生活環境は大きく変わります。
義姉が実家を相続することになったとしても、固定資産税や建物の修繕費、日々の生活費は必要です。現在の収入や将来の年金だけで生活を維持できるのか、萌さんにはわかりません。何より心配なのは、夫が長男であることでした。義両親の介護については、いずれ夫と一緒に考えなければならないと覚悟しています。しかし、義姉の生活まで経済的に支えることになるのでしょうか。
萌さん夫婦には、まだ幼い子どもが2人います。今後は教育費が増えることが予想され、住宅ローンの返済も続きます。自分たち自身の老後資金も準備しなければなりません。萌さんは夫に、義姉が将来どのように生活するつもりなのか尋ねました。しかし、夫も姉の貯蓄や老後の計画については何も知らず、実家もあるのだから何とかなるだろうと楽観的に考えている様子でした。さらに、将来義姉から経済的な援助を求められたらどうするのかと聞くと、夫は家族なのだから困っていれば放っておけないかもしれないと答えたそうです。
「夫の気持ちもわかります。でも、援助するとなれば私たちの家計にも影響します。義姉には義姉の人生がありますし、私たちには私たちの生活がありますから」
萌さんは、義姉と距離を置きたいわけではありません。ただ、家族だからという理由だけで、際限なく経済的な援助をすることはできないと考えています。夫には、将来義姉から援助を求められた場合、必ず夫婦で話し合って判断してほしいと伝えました。しかし、夫はまだ先の話だと受け止めているようでした。
きょうだいの老後を支える義務はあるのか
内閣府「令和8年版高齢社会白書」によると、2024年時点で65歳以上の人がいる世帯は2,760万4,000世帯にのぼり、全世帯の50.3%を占めています。また、65歳以上の一人暮らしは今後も増加すると推計されています。親と同居している人も、親が亡くなれば生活環境が変わる可能性があります。
また、民法第877条では、直系血族と兄弟姉妹に互いの扶養義務を定めています。ただし、きょうだいだからといって、相手の生活費を無条件に負担しなければならないわけではありません。扶養の程度や方法は、支援を必要とする側の事情だけでなく、支援する側の経済状況なども考慮されます。
もちろん、非正規雇用や独身、実家暮らしというだけで、経済的に困窮するとは限りません。義姉には義姉の生活があり、萌さんが知らない資産や将来の計画があるかもしれません。一方、萌さんの不安も、根拠のないものとして片付けられる話ではないでしょう。
夫婦で築いてきた生活を守りたいという気持ちと、困っている家族を助けたいという気持ちは、必ずしも一致しません。家族の行事に誰を招くのかという身近な問題から、きょうだいの老後をめぐる不安が浮かび上がった今回のケース。必要なのは、義姉の暮らし方を批判することではなく、将来の支援について、夫婦がどこまで責任を負うのかを話し合っておくことなのかもしれません。
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