(※写真はイメージです/PIXTA)
物価高のなかでの年金生活
近年の公的統計を見ても、年金生活世帯における生活費の増大は客観的なデータとして顕著に現れています。
総務省統計局が公表した『消費者物価指数(CPI)2025年(令和7年)3月分』によると、総合指数は2020年を100とした基準では111.1です。前年同月比で3.6%上昇しています。生鮮食品を除く総合指数においても110.2(前年同月比3.2%増)と高水準を維持しており、エネルギーや食料品といった生活必需品の価格上昇が家計を圧迫しています。
また、家計の消費支出に占める食費の割合を示すエンゲル係数の変化も深刻です。総務省『家計調査報告(家計収支編)2024年(令和6年)平均結果の概要』によると、2024年の2人以上世帯におけるエンゲル係数は28.3%に達し、1981年以来43年ぶりの高水準を記録しました。可処分所得に対する食費の重みが、過去数十年で最も高まっていることを示しています。
こうした物価高に対し、厚生労働省が公表した2025年度の公的年金額改定は前年度比1.9%の引き上げにとどまり、実質的な購買力は目減りを続けているのです。
自身の老後資金で子世帯の生活費や食費を補填し続ける構造は、長期化すれば親自身の介護費用や医療費の確保を困難にし、最終的には世帯全体が困窮する「親子共倒れ」を招くでしょう。回避するためには、親の年金収入と実際の支出額、貯蓄の減少スピードを客観的な数値として開示し、子世帯側に現状を認識させる必要があります。
また、いまからでも光熱費や食費などのお金について、子世帯側からの固定的な実費負担をルール化すべきです。娘一家の自力での家計再生が困難な場合は、自治体の生活困窮者自立支援制度や専門家のアドバイスを挟み、感情論を排して冷静な生活設計を行うようにしましょう。
キャパシティを超えた援助にはいつか限界が来ます。家族各自が目の前の収支に向き合うことが、家族全体の生活を守ることであると一刻も早く気付く必要があるのです。
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