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退職金2,200万円、64歳男性が定期預金を預け替える理由
神奈川県在住の小林浩さん(64歳・仮名)は、定年退職後、定期預金の満期が来るたびに預け先を比較しています。目当ては、少しでも高い金利で利息を受け取ることです。
小林さんは会社員として長年勤め、退職時に2,200万円の退職金を受け取りました。妻と暮らす自宅の住宅ローンは完済済み。子どもは3人おり、すでに独立しています。5人の孫にも恵まれました。
「退職金は『老後の保険』みたいなものなので、簡単には使えません。でも、預金に置いておくだけなら、少しでも利息が付くほうがいいですよね」
現役時代は、預金金利を細かく調べることはありませんでした。給与振込先の銀行にお金を預け、必要に応じて引き出す。それで十分だったといいます。
ところが定年後、目を向けるようになったのが、銀行が期間限定で実施する定期預金のキャンペーンです。1年ものの定期預金を中心に複数の金融機関の金利を比較し、満期が近づくと次の預け先を調べるようになりました。
「同じ金額を預けるなら、金利が高いほうがいい。1年で満期になる商品なら、そのときの金利を見て、また考えられますから」
小林さんは、生活費や急な出費に備えるお金を普通預金に残し、それ以外の資金を定期預金に回す方針です。預け替えの際には金利だけでなく、キャンペーンの適用条件や預入期間も確認しています。
もちろん、銀行を比較する作業には手間がかかります。インターネットで金利を調べ、口座開設の条件を確認し、必要なら新たな手続きをしなければなりません。
ある日、銀行を変えるための手続きをしていた小林さんに、娘が声をかけました。
「そんな面倒なこと、続けていたの?」
娘からすれば、すでに退職金を受け取った父親が、金利のわずかな差を求めて銀行を比較していることが意外だったようです。
しかし、小林さんには、そこまでして利息を得たい理由がありました。老後の生活費を確保するだけでなく、孫たちのために使うお金も大切にしたいと考えているのです。
「孫は5人います。お年玉もあるし、誕生日やクリスマスにも何か買ってあげたい。5人それぞれにとなると、結構かかるんですよ」
孫への支出は、毎月決まって発生するものではありません。それでも、年末年始や誕生日などの機会は一年を通じて訪れます。帰省した際の食事代や、家族で出かけたときの費用を負担することもあるそうです。
「1年で孫ひとりにつき、3万円くらいかな。5人いるから、それだけで15万円。毎年必ず同じ金額ではないですが、何かとお金はかかりますね」
退職後は、現役時代のように給与が入ってくるわけではありません。だからといって、家族との交流にかかるお金をすべて切り詰めたいわけでもない。小林さんは、こうした支出の一部を預金の利息で補えればと考えています。