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孫娘の教育費100万円も辞退
現在、チサキさんの娘は公立中学校に通い、週に数回、学習塾へ通っています。今後の進学に備え、夫婦で教育資金も積み立てています。
母親は孫娘の教育にも強い関心を示し、電話では模試の成績や志望校について尋ねてきます。
以前、孫の教育費として100万円を援助したいと申し出られたこともありました。しかし、チサキさんは辞退しました。
「100万円はありがたいけれど、私たちの家計で十分やっていけるから。お母さんが私の教育にお金をかけてくれたおかげで、いまの私があると思っている。でも、私たちはもう大丈夫です」
母親には、そうきっぱりと伝えたといいます。
この言葉には、チサキさんなりの意地もありました。かつて母親から家庭環境を疑問視された夫は、メーカーに就職し、奨学金を自分の収入で返済してきました。現在は完済し、夫婦で協力しながら娘を育てています。奨学金を借りて大学に進学したからといって、経済的に自立できないわけではありません。母親に対して、そのことを示したい気持ちもあったといいます。
母親からは、100万円の援助を断ったことについて、特に返事はありませんでした。
チサキさん自身、娘には勉強を頑張ってほしいと思っています。ただ、成績や進学先だけで本人の価値を判断したくはありません。また、母親から経済的な援助を受けることで、娘の進路や勉強方法にまで口を出されることも避けたいと考えています。
以前は年末年始や夏休みに帰省していましたが、娘が中学生になってからは、その回数も減りました。母親が自分にしてきたように、娘の進路や生き方にも必要以上に干渉するのではないかと心配しているのです。
先日届いたリンゴは、家族でおいしく食べました。母親にはお礼の連絡もしましたが、手紙にあった帰省の誘いには、まだ返事をしていません。
「感謝していることと、会いたいと思うことは別なんですよね。今の距離感がギリギリなのかなって。これ以上、距離を詰められたら私はどうなるかわからない」
チサキさんは母親との関係を断ちたいわけではありません。ただ、自分が長年感じてきた息苦しさを、娘には経験させたくないと考えています。
親の経済的支援と、子どもの人生への介入は別問題
日本学生支援機構が2026年3月31日に公表した「令和6年度学生生活調査」によると、大学学部(昼間部)の学生のうち、何らかの奨学金を受給している人の割合は51.1%でした。給付型と貸与型の両方を含む数字ですが、奨学金の利用が珍しくないことがわかります。
結婚相手に奨学金の返済が残っている場合、返済額や家計への影響を確認することは大切です。しかし、奨学金を借りていたという事実だけで、本人や家族の経済観念を判断することはできません。また、親が子どもの教育にお金をかけたからといって、その進路や結婚相手を決める権利まで得られるわけではありません。
親が子どものためにお金をかけることと、子どもが親の期待どおりに生きることは別問題です。たとえ善意からの援助であっても、受け取る側が負担に感じる場合もあります。チサキさんのように、親から受けた支援に感謝しながらも、自分の家庭を守るために一定の距離を置くことは、一つの選択といえるでしょう。