(※写真はイメージです/PIXTA)
結婚式の半年後の「あっけない結末」
両家の友達や親戚を大勢呼んだ派手な結婚式からわずか半年後のこと。次女から「大事な話があるから、今週末実家に帰るね」とLINEが。フミさんとともに、嫌な予感を抱きつつ待っていた週末、実家のドアを開けた次女は神妙な面持ちでリビングのソファーに座り、こう切り出しました。
「私、離婚することにした」
開口一番の告白に、マサシさんとアキさんは愕然としました。
「さすがに早すぎるだろう……!」
思わず声を上げたマサシさんに対し、次女は俯きながら経緯を語ります。付き合っていたころはわからなかったものの、実際に結婚して同居を始めると、生活リズムや金銭感覚の違いから毎日喧嘩ばかり。先週末には修復のしようがない決定的な大喧嘩に発展し、お互いに「もうやっていけない」と離婚の合意に至ったというのです。決意は固く、もう撤回するつもりはないとのこと。
怒りを通り越して脱力感に襲われたマサシさんでしたが、次女の疲弊した顔を見て、それ以上強く責めることはできませんでした。
「100万円は次女から返すといわれました。親心としては格好つけたく、受け取ったままでいいといいました。でも二回目の結婚があっても出せません。まだ、三女もいますしね」
マサシさんは苦笑いをこぼしながら肩をすくめました。
役職定年世代の家計負担
パーソル総合研究所『ミドル・シニアの就労に関する調査』等によると、役職定年を迎えた会社員の約7割が年収の減少を経験しており、その減額幅は平均して2割〜3割に達するとされています。厚生労働省『令和5年賃金構造基本統計調査』を見ても、男性会社員の賃金は50〜54歳(ピーク時平均月額約48万円)を境に、55〜59歳(同約44.6万円)にかけて下降曲線を描くことが示されています。
収入が大きく減少する一方で、50代半ばは「子どもの教育費(大学学費等)」の支払いがピークを迎え、同時に「自身の老後資金のラストスパート」をかけなければならない時期でもあります。
本事例のマサシさんのように、一度手渡した資金をそのまま受け取らせる親心は理解できますが、役職定年後は「再雇用時の収入低下(60歳以降)」も見据えた厳密な資金シミュレーションが必要です。無理な資金援助によって自身の老後資金が不足すれば、将来的に子ども世代へ経済的・介護的な負担をかけることになりかねません。
子どもの慶事には気持ちよく支援したいのが親心ですが、役職定年後は自らのライフプランと老後資金の準備についてしっかりと準備をし、「出せる金額の上限」をあらかじめ決めておくとよいでしょう。
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