趣味の集まりや日常の人間関係など、安心感のあるコミュニティを通じて持ちかけられる「うまい話」は、警戒心が薄れやすく大きな被害へ発展しがちです。事例を見ていきましょう。※事例の登場人物はすべて仮名です。
な、なんてことをしたんだ…月収90万円の42歳会社員夫、膝から崩れ落ちる。泣きじゃくる40歳パート妻。娘の教育費500万円がパーに、きっかけは「妻の習い事デビュー」 (※写真はイメージです/PIXTA)

金融知識の不足に乗じた投資トラブル

近年、SNSや対面の習い事・趣味のコミュニティを通じて親しくなり、安心感を与えたうえで高リスクな投資や架空のファンドへ勧誘する手法が増加しています。

 

警察庁『令和5年におけるSNS型投資・ロマンス詐欺の認知・被害状況等について』によると、同年のSNS型投資詐欺の被害件数は2,571件、被害総額は約278.4億円に達しており、特定のコミュニティや人脈を介して信用させる手口が深刻化している状況です。

 

特に、これまで金融取引になじみがなかった人の場合、「知人がやっているから」「プロを名乗る身近な人が勧めているから」という主観的な信用だけで出資を決めてしまい、基本的なリスクチェックを行わないまま被害に遭うリスクが高くなります。

 

また、本事例のように「教育費」として貯めていた資金が失われた場合、直近の家計や子どもの進路におよぼす影響は甚大です。

 

日本政策金融公庫『令和3年度 教育費負担の実態調査』によると、高校入学から大学卒業までに必要な子ども1人あたりの教育費(在学費用・受検費用等の合計)は、私立文系で約962万円、私立理系で約1,083万円にのぼります。子どもが高校生となり、間もなく大学進学を迎えるタイミングで500万円もの資金を損失することは、給与収入が高水準であっても教育ローンの急遽利用や進路選択の変更を余儀なくされるでしょう。

 

「必ず儲かる」「元本保証で高利回り」といった勧誘は、金融商品取引法上の登録を受けていない違法業者の典型的な特徴です。金融庁のウェブサイト等で「免許・許可・登録等を受けている事業者か」の事前確認は欠かせません。

 

高収入世帯であっても、資産の安全管理やリスクに対する共通認識が欠けていると、一瞬の過ちで大きな損失を被る危険性があります。家庭内での金銭ルールの共有と客観的な金融知識の習得が、いま、求められます。

 

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