(※写真はイメージです/PIXTA)
47歳妻と44歳夫、40代で結婚した2人
東京都内に暮らすマリコさん(47歳・仮名)は、会社員の夫・コウヘイさん(44歳・仮名)と2人暮らしです。2人とも大学卒業後、東京都内でキャリアを積んできました。現在、マリコさんは管理職として働き、年収は約1,000万円。コウヘイさんも会社員として約800万円の収入があり、世帯年収は約1,800万円です。
学生時代の知人を介して知り合った2人が結婚したのは昨年のこと。ともに初婚でした。
「私は仕事が好きですし、結婚したからといって仕事をセーブしたいという気持ちはありませんでした。夫もそこについては、最初から『今までどおりでいいんじゃない』という感じでした」
結婚した時点ですでに40代。それぞれ長く一人暮らしをしてきたため、料理も洗濯も掃除も一通りできます。家事について細かな分担を決めているわけではありません。早く帰ったほうが夕食を作り、もう一方が後片付けをする。洗濯物がたまっていることに気づいた人が洗濯機を回す。2人とも忙しいときには、外食や家事代行を利用することもあります。
「どちらかがどちらかの『お世話をする』という感覚が、そもそもあまりないんです」
そんな2人が今年、コウヘイさんの故郷である新潟県へ帰省しました。
義実家で妻に頼まれた「ちょっと手伝って」
コウヘイさんの父親は75歳、母親は72歳です。父親は会社員として長く勤め、母親は結婚後、子育てを機に仕事を辞めて専業主婦になりました。実家では昔から、父親が家事をすることはほとんどなかったそうです。食事を作るのも、食卓に料理を並べるのも、食後に食器を片付けるのも母親の役目。コウヘイさんにとっても、それが子どものころから見慣れた家庭の風景でした。
帰省した日の夕食前、義母はマリコさんに声をかけました。
「悪いけど、お皿を出してもらえる?」
マリコさんは特に抵抗を感じることなく、台所に立ちました。
「私もずっとお客さんとして座っていたいわけではありませんし、お義母さんだけにやってもらうのも申し訳ないので、普通に手伝っていました」
料理を運び、食後には食器を下げます。すると、コウヘイさんも席を立ち、残った皿を重ね始めました。その姿を見た義母が、驚いたように言いました。
「あんたはそんなことしなくていいのよ」
マリコさんは一瞬、「え?」と思ったといいます。さらに義母は、マリコさんに向かってこう続けました。
「家でもやらされてるの?」
思わず反論しようとしたマリコさんより先に、コウヘイさんが口を開きました。
「何言ってるの、母さん。時代が変わったんだよ」
「何言ってるの、母さん。家でも普通にやってるよ」
義母はさらに驚いた様子でした。
「仕事して帰ってきて、家のことまでやってるの? 男の人がそんなこと…… すっかり嫁の尻に敷かれて情けない」
その言葉に、コウヘイさんはこう返しました。
「何が情けないの。マリちゃんだって働いてるんだよ。うちは2人とも働いてるんだから、家のことも2人でやってる。時代が変わったんだよ」
マリコさんは黙ってそのやり取りを聞いていました。
「正直、お義母さんに言い返したい気持ちはありました。でも、夫が先に全部言ってくれたので、私から何か言う必要はないなと思いました」
ただ、コウヘイさんはもともと、現在のような考え方だったわけではないといいます。