内閣府「男女共同参画白書 令和8年版」によると、2025年の「雇用者の共働き世帯」は1,254万世帯。一方、「男性雇用者と無業の妻から成る世帯」は358万世帯で、共働き世帯はその約3.5倍となっています。夫婦ともに働くことが珍しくなくなった一方、「家のことは妻がするもの」といった価値観が、すべての家庭で同じように変化しているとは限りません。昨年、44歳で結婚した男性が、47歳の妻と新潟県の実家へ帰省しました。そこで母親が目にしたのは、妻と一緒に台所に立つ息子の姿でした。
目を疑いました…〈世帯年収1,800万円〉40代共働き夫婦、結婚後初めて義実家へ帰省。「嫁の尻に敷かれて情けない」72歳義母が〈44歳息子の姿〉に絶句したワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

47歳妻と44歳夫、40代で結婚した2人

東京都内に暮らすマリコさん(47歳・仮名)は、会社員の夫・コウヘイさん(44歳・仮名)と2人暮らしです。2人とも大学卒業後、東京都内でキャリアを積んできました。現在、マリコさんは管理職として働き、年収は約1,000万円。コウヘイさんも会社員として約800万円の収入があり、世帯年収は約1,800万円です。

 

学生時代の知人を介して知り合った2人が結婚したのは昨年のこと。ともに初婚でした。

 

「私は仕事が好きですし、結婚したからといって仕事をセーブしたいという気持ちはありませんでした。夫もそこについては、最初から『今までどおりでいいんじゃない』という感じでした」

 

結婚した時点ですでに40代。それぞれ長く一人暮らしをしてきたため、料理も洗濯も掃除も一通りできます。家事について細かな分担を決めているわけではありません。早く帰ったほうが夕食を作り、もう一方が後片付けをする。洗濯物がたまっていることに気づいた人が洗濯機を回す。2人とも忙しいときには、外食や家事代行を利用することもあります。

 

「どちらかがどちらかの『お世話をする』という感覚が、そもそもあまりないんです」

 

そんな2人が今年、コウヘイさんの故郷である新潟県へ帰省しました。

義実家で妻に頼まれた「ちょっと手伝って」

コウヘイさんの父親は75歳、母親は72歳です。父親は会社員として長く勤め、母親は結婚後、子育てを機に仕事を辞めて専業主婦になりました。実家では昔から、父親が家事をすることはほとんどなかったそうです。食事を作るのも、食卓に料理を並べるのも、食後に食器を片付けるのも母親の役目。コウヘイさんにとっても、それが子どものころから見慣れた家庭の風景でした。

 

帰省した日の夕食前、義母はマリコさんに声をかけました。

 

「悪いけど、お皿を出してもらえる?」

 

マリコさんは特に抵抗を感じることなく、台所に立ちました。

 

「私もずっとお客さんとして座っていたいわけではありませんし、お義母さんだけにやってもらうのも申し訳ないので、普通に手伝っていました」

 

料理を運び、食後には食器を下げます。すると、コウヘイさんも席を立ち、残った皿を重ね始めました。その姿を見た義母が、驚いたように言いました。

 

「あんたはそんなことしなくていいのよ」

 

マリコさんは一瞬、「え?」と思ったといいます。さらに義母は、マリコさんに向かってこう続けました。

 

「家でもやらされてるの?」

 

思わず反論しようとしたマリコさんより先に、コウヘイさんが口を開きました。

「何言ってるの、母さん。時代が変わったんだよ」

「何言ってるの、母さん。家でも普通にやってるよ」

 

義母はさらに驚いた様子でした。

 

「仕事して帰ってきて、家のことまでやってるの? 男の人がそんなこと…… すっかり嫁の尻に敷かれて情けない」

 

その言葉に、コウヘイさんはこう返しました。

 

「何が情けないの。マリちゃんだって働いてるんだよ。うちは2人とも働いてるんだから、家のことも2人でやってる。時代が変わったんだよ」

 

マリコさんは黙ってそのやり取りを聞いていました。

 

「正直、お義母さんに言い返したい気持ちはありました。でも、夫が先に全部言ってくれたので、私から何か言う必要はないなと思いました」

 

ただ、コウヘイさんはもともと、現在のような考え方だったわけではないといいます。