内閣府の『令和7年版高齢社会白書』によると、65歳以上の者のいる世帯のうち「親と未婚の子のみの世帯」の割合は20.2%(543万2,000世帯)に上り、高齢者世帯の約2割を占めています。未婚化や非正規雇用の長期化を背景に、「7040問題」や「8050問題」は、いまや多くの家庭にとって身近なリスクとなっているようです。事例を見ていきましょう。※事例の人物名はすべて仮名です。
老後資金が一瞬で吹き飛びました…年金20万円・退職金1,200万円・貯金700万円の67歳夫婦のもとへ届いた、実家暮らしの41歳次男への「朱書きされた封書」の中身 (※写真はイメージです/PIXTA)

7040問題、親子共倒れを防ぐには

LIFULL HOME'Sの2025年の「実家暮らしに関する調査(一都三県)」によると、40代の実家暮らしの割合は26.4%。4人に1人が実家で暮らしている実態がうかがえます。40代・50代で未婚のまま親と同居を続ける単身者は増加傾向にあります。親の世代が70代、子どもの世代が40代に差し掛かるなかで、子どもの就労不安定や社会的孤立が長期化し、親の年金や蓄えに依存して生活が維持されている世帯は少なくありません。子どもが真面目に見える場合であっても、将来への不安や経済的焦燥感から、トラブルとなるリスクが潜んでいます。

 

また、子どもの借金やトラブルが発覚した際、親が最も避けるべきなのは「世間体や哀れみから自腹で肩代わりすること」です。保証人や連帯保証人になっていない限り、成人の子供が作った借金を親が返済する法的義務はありません。親が退職金や貯蓄を取り崩して完済しても、本人の金銭感覚や問題の根幹が解決していなければ、同じ過ちを繰り返すリスクが高まります。それどころか、親自身の老後資金が枯渇し、共倒れを迎えることになるかもしれません。

 

万が一、子どもの巨額の借金が発覚した場合は、感情的に肩代わりするのではなく、弁護士や司法書士といった専門家に相談し、任意整理や自己破産などの「債務整理」を本人に行わせましょう。また、通帳や印鑑などの貴重品は親自身が厳重に管理し、勝手な引き出しを防ぐ環境を整える必要があります。

 

子どもへの情愛と「家計の防衛」は切り離して考えなければなりません。子どもの過ちをすべて親が抱え込むのではなく、法律や公的サービスの力を借りながら、親自身の老後基盤を守ることこそが、家族全員が破滅する最悪のシナリオを回避するための道となり得るでしょう。

 

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