「家族葬=費用が安い」というイメージがある一方で、想定外の高額請求に戸惑うケースも。ある女性の事例から、家族葬に潜む費用の落とし穴と、後悔を防ぐためのポイントについて考えます。
「家族葬なら100万円以下」のはずが…72歳母を見送った45歳娘、衝撃の「請求額」に絶句 ※写真はイメージです/PIXTA

「家族葬」だから安いとは限らない

葬儀は無事に終わりました。参列者は親族を中心に十数人。由美さん自身は、派手な葬儀をしたつもりはなかったといいます。

 

しかし、最終的な請求額を見て、手が止まりました。

 

約70万円だと思っていた費用は、120万円を超えていました。

 

「母の口座には、生活費を除けばほとんど残っていません。結局、私たちの貯金から出しました」

 

由美さんは請求額そのものに納得できないわけではありませんでした。説明を受けて追加した費用もあります。それでも、後悔が残りました。

 

「最初に『全部でいくらかかる可能性があるのか』を、もっと確認しておけばよかった。家族葬なら身近な人だけで送ることができる、規模の小さい、費用も安い――それは単なるイメージでしかありませんでした」

 

鎌倉新書『第7回お葬式に関する全国調査(2026年)』によると、行った葬儀の種類として「家族葬」が47.0%で最も多く、「一般葬」(30.2%)、「一日葬」(30.2%)、「直葬・火葬式」(10.8%)と続きます。また家族葬の平均費用は96.39万円。一般葬の122.01万円と比較すると安いものの、必ずしも費用が安くなるものではありません。

 

葬儀費用には、基本料金のほか、飲食費や返礼品費など、人数や内容によって変わる費用があります。さらに、プランによっては火葬場の利用料や安置に関する費用などが別途必要になることもあります。

 

重要なのは、「家族葬だから安い」「このプランならこの金額」と判断しないことです。

 

契約前に、基本料金に含まれるもの、別料金になるもの、人数や日数によって増える費用、最終的な総額の目安を確認する必要があります。

 

可能であれば、時間の許す範囲で複数社の見積もりを見る方法もあります。ただし、家族が亡くなった直後に、それを完璧に行うのは簡単ではありません。

 

「母が生きているうちに、少しでも話しておけばよかった。きちんと聞いておけば、『母はこういう葬儀を望んでいる』という判断基準で選ぶことができたから」と由美さん。

 

葬儀自体に後悔はありません。ただ、葬儀を終えたあとに届いた請求書を見ると、「費用の分だけ母をきちんと送ることができたのか」という疑問と後悔の思いがわいてくるのだといいます。

 

[参考資料]

株式会社鎌倉新書『【第7回】お葬式に関する全国調査(2026年)』