観光庁「旅行・観光消費動向調査」によると、2025年7~9月期の日本人の国内旅行支出は、1人1回あたり約5万円。宿泊旅行では7万円を超えています。家族で遠方へ帰省すれば、まとまった出費になるのも無理はありません。しかし、その節約のために親族の家を「実家」のように使えば、負担は迎える側へ移ります。義両親がすでに四国へ移住したにもかかわらず、義姉一家から自宅をたびたび宿泊先にされている42歳共働き女性の事例を見ていきます。
お義姉さんたち、また来るの?お盆に続きシルバーウィークも…〈年収700万円・42歳共働き妻〉が義姉一家総出の訪問に悲鳴。「ここはもう実家じゃないんですよ」と告げたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

お盆に来たばかりなのに「シルバーウィークもいい?」

「シルバーウィーク、姉ちゃんたちが来てもいいかって聞いてるんだけど、どう?」

 

夫からそう聞かれ、埼玉県内に暮らすミホさん(42歳・仮名)は「お義姉さんたち、また来るの? この前も来たばっかりだよね?」と返してしまいました。

 

ミホさんは45歳の夫、中学3年生の娘との3人暮らし。夫婦ともに会社員で、ミホさん自身の年収は約700万円です。

 

現在暮らしている一戸建てには、以前は夫の両親も同居していました。しかし数年前、義両親は四国へ移住。いまこの家で生活しているのはミホさん一家だけです。

 

ところが夫の姉にとっては、いまだにここが「実家」のままでした。義姉は夫と子ども2人の4人家族。ゴールデンウィークやお盆など、まとまった休みになると一家で泊まりに来ます。

 

「お義父さん、お義母さんに会いたいなら四国に行けばいいと思うんです。でも『家族4人で行くと交通費が高い』って。埼玉なら車で来られるから楽なんでしょうね」

 

今年のお盆にも泊まりに来たばかりでした。

義姉一家の「節約」、その負担はどこへ?

家族で遠方へ移動すれば、それなりの費用がかかります。

 

観光庁「旅行・観光消費動向調査」によると、2025年7~9月期の日本人国内旅行の1人1回あたり旅行支出は4万9,912円。宿泊旅行では7万4,485円でした。

 

もちろん、これは義姉一家が四国へ帰省した際の費用を示すものではありません。それでも、家族4人で遠方へ出かける負担を避けたいという気持ちは理解できます。

 

しかしミホさんが納得できないのは、その節約のために自宅が使われることでした。

 

「お義姉さんたちはホテル代もかからないし、四国へ行くより安く済む。でも、その分こっちに負担が来るんですよね」

 

一家4人が数日滞在すれば、食事や飲み物、電気、ガス、水道の使用量も増えます。さらに義姉一家は、泊まりに来る際にほとんど何も用意してきません。

 

シャンプーやタオルはもちろん、義姉は化粧水や乳液までミホさんのものを使うのが当たり前になっていました。

 

「値段の問題じゃないんです。人のものを使う前提で来るのが嫌なんですよね」

 

帰ったあとには、4人分のバスタオルやシーツ、寝具の片付けが残ります。

 

バーベキューをしたときも、「材料は自分たちで用意するから」と言われたものの、最後の洗い物や片付けは結局ミホさんの役目でした。

 

義姉一家にとっては楽しい連休でも、ミホさんにとっては「4人の宿泊客を迎える数日間」なのです。

 

受験生の娘がいるのに、なぜ自分たちが家を空けるのか今年も義姉一家が来ると聞き、ミホさんは一度、自分が実家へ帰ることも考えました。しかし実家も遠方です。それなら近くのホテルにでも泊まり、一人で過ごそうか――。

 

そう考えたものの、夫婦には中学3年生の娘がいます。高校受験を控え、塾にも通っています。

 

「娘にはいつもの環境で勉強させたいし、塾もあります。お義姉さんたちが来るからって、私たちが家を空けるのもおかしいでしょう」

 

しかも、自分だけホテルへ行ったとしても、留守中に家のものを勝手に使われるのは嫌だといいます。

 

「あの義姉なら勝手にいろいろ使うだろう。寝室に入るのもやりかねない」と思ったミホさん。

 

そしてふと、

 

「なんで自分の家なのに、私が逃げなきゃいけないんだろう」

 

と思ったそうです。