被相続人の財産に関する最終の意思表示である「遺言書」。大切な資産のゆくえを決定づけるその1通は、時に残された家族の運命を大きく揺るがすことがあります。親の資産をアテにし続けてきた男の前に突きつけられた、思いもよらぬ遺言書の中身とは――。事例を見ていきます。※事例の人物名はすべて仮名です。
長男「弟は、想像だにしていなかったでしょう」…年金月6万円、実家で遊び惚ける〈働いたことのない66歳次男〉。資産2億円の92歳亡父が最期、“心を鬼に”した結果 (※写真はイメージです/PIXTA)

「遺留分トラブル」の防止策

親の資産を守りつつ、将来の争いを未然に防ぐための重要なポイントを整理します。

 

遺言書の作成と「遺留分」への目配り

「特定の子に財産を多く与えたい」と思っても、「遺留分」が最大の懸念になります。遺言書を作成する際は、残された相続人が主張できる遺留分がどの程度になるかをあらかじめ算出し、侵害によるトラブルが起きないような財産配置を考えておく必要があります。

 

生命保険を活用した「相続財産の圧縮」

生前贈与や生命保険の活用は、みなし相続財産として税金計算には含まれるものの、民法上の「遺産分割の対象財産」からは外すことができます。特定の人に確実に資金を遺したい場合や、分割対象となる基礎財産を減らして他人の遺留分請求額を抑えたい場合に、生命保険の指定受給枠は極めて有効な選択肢となります。

 

早期の自立支援

親の資力・活力があるうちに経済的自立を促さず、先送りにしたまま高齢期を迎えてしまうと、親と子が共倒れに陥る「8050問題(あるいは9060問題)」へと発展します。老後の資産計画を立てる段階で、単にお金を残す・残さないの判断だけでなく、元気で存命であるうちに生活の立て直しや専門機関への相談など、本人の自立に向けた根本的な環境整えを行うことが真の親の責任なのかもしれません。

 

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