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「年収1,280万円なら老後も安泰」のはずだった
東京都在住、大手企業勤務の佐々木浩之さん(仮名・50歳)。会社では部長職、年収は1,280万円。妻と高校生の長男、中学生の長女との4人暮らしです。
都内のマンションは6年前に7,800万円で購入しました。住宅ローンの残高は約4,700万円。毎月の返済は12万円です。管理費と修繕積立金を合わせると、住居費は月16万円ほどになります。
子ども2人の教育費もかかります。塾代や学校関連費用などで、月10万円前後が出ていきます。ただ、毎月自由に使えるお金が潤沢に残るわけではありません。
それでも佐々木さんには、一つの自信がありました。
「以前、テレビで日本人の給与について特集していました。そこで自分の給料が周りと比べるとかなり高水準で、上位5%に入ることを知ったんです」
厚生労働省『令和7年賃金構造基本統計調査』によると、日本人の月収の中央値は31.3万円。上位25%で40.9万円、上位10%で55.0万円。月収70万円を超えると上位5%に入ります。また男性に限ると80万円以上、大卒男性に限ると90万円以上で上位5%となります。
いずれにせよ、自分の給与水準が日本でも高い位置にあることは、一つの自信になっていたといいます。
ある日、郵便物の中に「ねんきん定期便」がありました。妻から「見ておいたほうがいいんじゃない」と言われ、佐々木さんは封を切りました。
50歳以上の人に届く「ねんきん定期便」には、「老齢年金の種類と見込額」が記載されています。現在加入している年金制度に60歳まで同じ条件で加入し続けると仮定した金額です。
佐々木さんは、最初はそれほど興味を持っていませんでした。ところが、金額を見て手が止まりました。
「……これだけ?」
妻が横から覗き込みます。佐々木さんが見ていたのは、65歳以降に受け取る年金の見込額でした。
年額約240万円。月額にすると約20万円。
(日本の上位5%だというのに、これだけしかもらえないのか……)
想像以上に少ない金額に、膝から崩れ落ちそうになったといいます。