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長男のお盆帰省で腰を痛めた母だったが…
ただ、今年のお盆休みはきつかったと美代子さん。腰を痛めてしまったというのです。
「70を過ぎると、おもてなしもかなりきついです。布団の上げ下ろしも、本当に重労働」
元気いっぱいの孫を相手にするのは、うれしい反面、肉体的に限界を感じます。
「今年は3泊4日でしたが、本当、大変だった。息子たちが帰ったあと、腰に湿布を貼って安静の日々が続いています」
孫に会えるのは嬉しいが、1泊2日か2泊3日くらいがいい――そんなことは口が裂けても言えません。そのようななか、帰京した健太さんからよもやの電話が入りました。9月のシルバーウィークにも一家で遊びに来るというのです。
「土日含めて5連休だから。せっかくだから帰るよ」
腰が治りきらないなか、まさか1カ月後にまた帰省するという健太さんに、思わず「冗談でしょ?」と尋ねたという美代子さん。「お金もかかるからいいわよ」とやんわり拒否したものの、「交通費だけだから、大丈夫。もうチケットとったから安心して」と健太さん。帰省はすでに決定事項になっていました。
「『俺にできる親孝行は、孫に会わせることくらいだから』と息子は言います。親孝行という言葉を出されたら、何も言えないですよ……」
内閣府『令和3年度 高齢者の日常生活・地域社会への参加に関する調査』によると、高齢者が生きがいを感じる瞬間として「孫など家族との団らんの時」は55.3%にのぼり、世代間交流は大きな喜びとなっています。しかし一方で、将来の日常生活全般で「自分や配偶者の健康や病気のこと」に不安を抱く人は70.3%に達しており、年齢とともに健康上の課題は切実さを増します。
日頃から「家族・親戚とのつきあい」を心がける高齢者は42.1%に上りますが、親を思う「親孝行」が心身の負担を強いる結果になっては本末転倒。帰省を本当の親孝行にするためには、形式にこだわらず、親の体力的な実情や本音に寄り添う丁寧なコミュニケーションが求められます。