(※写真はイメージです/PIXTA)
毎年の夏休み、大賑わいの我が家と膨らむ「滞在費」
地方の持ち家で暮らすヨシコさん(仮名/70歳)は、数年前に夫を亡くし、現在は一人暮らしをしています。公的年金と亡き夫の遺族年金を合わせた収入は月約16万円。普段の生活費や固定資産税、将来の医療・介護費用への備えを考えると、計画的な家計管理が欠かせません。
そんなヨシコさんにとって、夏休みや大型連休に近県から帰省してくる長女ファミリー(長女・長女の夫・小学生の孫2人)の訪問は、例年、賑やかで楽しみなイベントの一つでした。
しかし、ここ数年の記録的な物価高と猛暑により、その受け入れコストは増大していました。
育ち盛りの孫たちの食費、普段は滅多に使わない複数部屋のエアコン代、プールやレジャー施設への連れ出し、家族で囲む外食費。長女夫婦も手土産や孫用のお菓子などを持参はするものの、滞在中の実費としてヨシコさんが財布から出す金額は、1週間程度の滞在で合計約8万円にのぼっていました。
毎年溜まるモヤモヤの原因
物価高に伴い、ヨシコさんはここ数年、長女家族に違和感を覚えるようになっていました。長女らにとって実家への帰省は「ホテル代がかからず、食事も用意してもらえて節約になるレジャー」とでも認識されているように感じるのです。というのも、長女本人からも、長女の夫からも、孫たちからも、「ありがとう」が全然ないことがちりつもってモヤモヤとしていました。ヨシコさんは笑顔で孫を迎え入れ、回転寿司や買い物に連れていきましたが、「ばぁば、孫と過ごせてよかったね~」などと長女がいってくることも引っかかっています。
ヨシコさんも家計は年々苦しくなっており、月16万円の年金から、1回の帰省で8万円もの出費が発生すれば、その月の収支は赤字になります。不足分は夫が残してくれた生命保険金や貯蓄を取り崩して補填するしかありません。
「物価も電気代もこれだけ上がり、自分の将来の介護費用も自分で準備しなければならない。いくら孫が可愛くても、この負担を毎回続けるのは厳しい……」
そう思い詰めたヨシコさんは、次回の帰省の相談を受けた際、意を決して長女へ柔らかく打診してみることにしました。
「最近は物価も高くなっちゃって、年金だけだと少し厳しくてね。お母さんも70歳になったし、結構こたえるのよ。もしよかったら、次回の滞在からは食費として3万円くらい入れてもらえると助かるんだけど……」