出産祝いからランドセルまで…可愛い孫への「貢ぎ物」で消えた100万円

サヨコさん(仮名・78歳)と同い年のツヨシさん(仮名)夫婦には、20歳と17歳になる2人の孫がいます。2人とも愛すべき可愛い孫ですが、10年前、夫婦は頭を抱える出来事に直面しました。

話は20年前に遡ります。当時、ツヨシさんはまだ現役の会社員で、サヨコさんもスーパーでレジのパートをしており、世帯年収は900万円ありました。住宅ローンはすでに完済していたため、夫婦二人暮らしの家計には十分な余裕があります。

初孫のアオイさん(仮名)が誕生した際、夫婦は息子夫婦に「出産祝い」として20万円を渡しました。他にも必要なベビー用品一式を揃えたため、出費はトータルで40万円ほどに。その3年後、2人目の孫・ミオさん(仮名)が生まれたときも同様に祝い金とプレゼントを贈り、結局、2人の孫の誕生に約100万円を使ったといいます。

その後も、初節句や七五三などのお祝いごとや小学校入学時のランドセル、学習机など、事あるごとにツヨシさん夫婦が負担してきました。

当時は金銭的余裕もあったので、「かわいい孫たちのため」と、いわれるがまま息子夫婦や孫のリクエストに応じていました。

年金生活に入るも“おねだり”は続き、「老後破産」の危機へ

ところが10年前、状況は一変します。サヨコさん夫婦が定年を迎え年金生活に突入し、息子夫婦や孫からの“おねだり”に快く応じられなくなったのです。

年金額は、2人合わせて月25万円。生活費だけなら年金でやりくりできるものの、「孫のための出費」に回せる余裕はなくなってしまいました。

そんな両親の事情を察してか、息子夫婦からの要求は減ったものの、祖父母の経済事情など知る由もない孫たちのおねだりは止まるところを知りません。「あのゲーム機が欲しい」「イヤホンが壊れた」と、大きくなるにつれて孫たちが「欲しいもの」の金額も上がっていきました。

しかし、溺愛する孫ですから、いまさら「もう買えない」とは言えません。また、一度断れば孫たちから嫌われてしまうのではないかという不安も拭えず、結局、預金を取り崩して買い与えるのを繰り返すようになります。

その結果、老後資産として確保していた2,000万円の預金は少しずつ目減りし、夫婦は残高を見るたびに小さくため息をつくようになりました。