約48坪の平屋に詰め込んだ「ちょうどよさ」
「エリクシル軽井沢Ⅰ」「Ⅱ」は、いずれも約75坪の平屋建て。一方、最新作の「α(アルファ)」は約48坪です。坪数だけを見ると「かなりコンパクトになったのでは?」と思うかもしれません。
しかし実際に室内へ入ると、窮屈さは微塵も感じられません。むしろ印象的なのは、視線が自然と外の緑へ抜ける圧倒的な開放感と、計算され尽くした動線のよさ。
たとえば、バスルームからトイレまでの距離が近く、水回りをスムーズに移動できます。十分な広さを確保しながら、日常の動きまできちんと考えられていることが、実際に歩いてみるとよくわかります。
「エリクシル軽井沢」を手がける株式会社エコライフマネジメントの秋山泰秀氏は、この“縮小”の理由を明かしてくれました。
「ⅠとⅡはとにかく横に長くて、端にいる人に『おーい!』と声をかけても聞こえないくらい広い(笑)。僕も面白がって何度も泊まりましたけど、広い家って、実際に暮らすと意外と大変なんです。キッチンからお風呂まで行くだけでも遠いし、いざ洗濯をしようと思ったら『洗濯機どこにあんねん!』って、あっちこっち歩き回るだけでしんどくなってしまう。別荘での長期滞在を快適に過ごすなら、“面積の大きさ=快適さ”ではないんですよね」
実は、この「ちょうどよさ」を生み出しているのは、設計の進め方にも理由があります。
「著名な建築家の先生に頼むと、玄関が無駄に広くなったり、廊下が長くなったりと、アーティストとしての『個性』が強く出やすくて。だから『α』は、あえて一般の優秀な設計士にお願いしました。無駄を徹底的に削ぎ落とした、日本人の生活に最もなじむ合理的な間取りと動線。これが現地で感じる『驚くほどの暮らしやすさ』の秘密です」
豪華な別荘では広さそのものがステータスとして誇られがちですが、αは「見栄を張るための邸宅」ではなく、「本当に心地よく過ごすための別荘」として、48坪というサイズに美しく着地しています。
「声がすぐ届く」絶妙な距離感
LDKを中心に、各部屋や水回りがほどよい距離感でつながるα。秋山氏は、このコンパクトな間取りだからこそ提案したいライフスタイルがあるといいます。
「たとえば、夫婦ふたり、十分な資産をお持ちで、愛犬を飼っている。そういうオーナー様も多くいらっしゃいます。そんなおふたりが、たまの休日に70坪も80坪もある別荘に来て、お互いどこにいるかもわからないような広さが必要でしょうか。キッチンに立っていてもパートナーや愛犬の気配を感じられ、少し声をかければすぐに届く。少人数や夫婦で訪れるなら、この絶妙な距離感こそが、本当の安らぎをくれるのだと思います」
αに用意された寝室は2部屋。それぞれの部屋にベッドが2台ずつ設置されており、ご夫婦でゆったり過ごすのはもちろん、時にはお子様やご家族、ご友人を招くのにも過不足のない作りとなっています。
大家族で賑やかに集まるなら大邸宅がいいかもしれません。しかし、日常の喧騒から離れ、大切なパートナーやペットと静かに心を通わせるなら、αのサイズ感は「コンパクト」というより「これ以上ないベスト」と感じられます。
本当の意味で、長く価値を維持できる別荘
αの室内には、別荘ライフを豊かにする上質な設備が揃っています。キッチンにはドイツ製「Miele(ミーレ)」の大型食洗機や、「バルミューダ」のコーヒーメーカー、食器は「ロイヤル コペンハーゲン」や「イッタラ」、オーブンレンジにはパナソニックの「ビストロ」など、目の肥えた大人たちが日常的に使っている一級品ばかりです。
しかし、ここでも秋山氏の基準は「単に高級品を並べて見栄を張ること」ではありません。そこには、数々の別荘を管理してきた現場のリアルな声が反映されています。
「以前、ⅠやⅡのとき、ものすごい高級な包丁を置いたことがあったんです。備え付けの砥石でいざ砥ごうとすると、そのクラスの包丁は素人には砥ぐことができないといわれまして。今回のαでは、きちんと手入れをしながら使い続けられるものを選んでいます。結局、実用性と使いやすさのバランスが一番いいクラス(ツヴィリング等)に落ち着きました。こういう『現場のリアルな維持管理』を無視して、ただ高級なだけのものを置いても別荘は長持ちしないんです」
家電にパナソニック製品を多く選んでいるのも、「万が一故障した際、メーカーの出張修理やパーツ交換の対応が圧倒的に早く、管理者として一番信頼できるから」といった理由から。食器をブランドで統一しているのも、万が一オーナーがうっかり破損してしまった際、同じシリーズを常に事務所にストックしておけば、次のオーナーが到着するまでの数時間の清掃の合間に、完璧な状態で補充できるからです。
「割れたからといって、オーナー様からいちいちお金を取るようなことはしません。酔っ払って洗っていたらグラスくらい誰でも割ります(笑)。『割れちゃったらカウンターに置いておいてください』といえるような、オーナー様との心地よい信頼関係を保つためにも、裏側でスピーディーに補充できるシステムを整えておく。そういう細かい気配りの積み重ねが、別荘の価値を何年先も維持していくんです」
リビングから森へつながる「もう一つの極上のリビング」
計算し尽くされた室内の動線と、ストレスのない管理体制。その心地よさをさらに広げてくれるのが、建物と自然をつなぐ屋外空間です。
αのハイライトともいえるのが、リビングからフラットにつながる広々としたウッドデッキです。ここにはテーブルセットが置かれ、屋外での朝食や、本格的なバーベキューを楽しめるコンロも備えられています。
室内とデッキの間に段差がなく、リビングの床からそのまま森へと視界が抜けていくため、48坪という数字以上の圧倒的な開放感を味わえます。朝は木漏れ日の中でコーヒーを楽しみ、昼は風を感じながらまどろみ、夜は家族でバーベキューを囲む。
単に外に敷地があるというだけでなく、自然と建物が溶け合うこのウッドデッキは、まさに「もう一つの極上のリビング」として機能しています。見栄えのための広さではなく、「ここでどう過ごすか」を第一に考え抜かれた設計の答えが、このデッキ空間に凝縮されていると感じられます。
背筋を伸ばして訪れる高級別荘ではなく、肩の力を抜いて心底リラックスできる場所。その空気感は、こうした「裏側の緻密な気配り」によって作られているのです。
次回は、αの現地から、自然とのつながりを生かした建築や室内の設え、デッキをはじめとする空間の特徴を詳しく紹介。ホテルとも一棟所有とも違う、タイムシェアならではの「暮らすような休日」のリアルと、驚きの価格設定の裏側に迫ります。
