【FPの助言】「全部解約」ではない…70代の保険の見直し

では、睦子さんのようなケースでは、どう見直せばよいのでしょうか。まず、大切なのは、自分に必要な保障の見極めです。扶養する家族のいない75歳の睦子さんに、大型の死亡保障は原則として必要ありません。

また、医療費についても、75歳以上は後期高齢者医療制度により窓口負担は原則1割で、1ヵ月の自己負担には上限を設ける高額療養費制度もあります(自己負担限度額は2026年8月から一部引き上げられます)。公的保障という土台があることを踏まえれば、民間の医療保険で厚く備える必要性は、現役世代よりずっと小さいはずです。もし、医療保険の保険料負担が過大であれば、解約もしくは特約のみ解約などを検討しましょう。

終身保険や養老保険といった貯蓄性のある保険であれば、「払済保険」への変更で以後の保険料の支払いをゼロにしながら、そのときの解約返戻金に応じた保障を残せます。

一時払い終身保険は多くの場合、契約後すぐに解約すると「元本割れ」しやすくなります。月払いの保険を見直してもなお、保険料の支払いが重い場合、一時払い終身保険の解約も視野に入るでしょう。できれば、解約返戻金が支払った保険料を上回るタイミングが望ましいといえます。

日本では、生命保険の加入率が約8割(生命保険文化センター「2025(令和7)年度 生活保障に関する調査」)で、若年層から高齢者まで、多くの人が何らかの保険に加入していると考えられます。しかし、保険は、結婚や子どもの独立、退職、そして配偶者との死別といったライフイベントのたびに見直すのが原則。放置していると知らないうちに不要な保障にお金を払い続けることになりかねません。

とりわけ死別後は、保障のニーズが変わっているにもかかわらず、悲しみや不安の中で契約だけがそのままになりがちです。離れて暮らす親の通帳や保険証券は、帰省の折に一緒に確認してみるようにしましょう。

松田聡子
CFP®

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