「母さん、これ全部払ってるの?」毎月約10万円の引き落としの正体

A生命2万8,000円、B生命2万5,000円、C生命1万9,000円……。毎月、複数の保険会社への引き落としが並び、合計するとその額は約10万円。年金収入の3分の2が、保険料に消えていたのです。

さらに話を聞くと、保険金の手続きをしてくれた営業担当者に勧められるまま、一時払いの終身保険に加入していたこともわかりました。保険料900万円で死亡保険金1,000万円を受け取れると聞き、清さんの死亡保険金500万円に貯蓄から400万円を加えて支払ったといいます。受取人はもちろん、哲也さんです。

「この保険金があれば、私にもしものことがあっても、あなたが困らないと思って」

昔から加入していた保険は解約せず、更新のたびに保険料が上がっても払い続け、さらに勧められるまま医療保険や認知症保険にも新たに加入していました。貯蓄を取り崩しながら保険料を払い続けた結果、残高は600万円程度まで減り、さすがに不安になって息子に助けを求めたのでした。

「保険金を残すより、母さん自身の生活に使ってほしかったよ」

哲也さんの言葉に、睦子さんは目を伏せながら言いました。

「でも、一人暮らしは不安だし、保険をやめるなんてできないわ」