「仕送りしてもらえない?」。母から息子にかかってきた1本の電話。本来であれば生活に困るような資産状況ではなかった母が、なぜお金に困る事態に陥ったのか……その理由は、母の通帳に隠されていました。「母さん、これ全部払っているの?」息子が絶句した、その内容とは――。今回は、貯蓄を取り崩しながら“万が一のために”と毎月高額な支払いを続けていた70代女性の例から、CFPの松田聡子氏が「老後の保障」について解説します。
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「仕送りしてほしいの」…75歳母の催促で実家へ駆けつけた息子、〈通帳の引き落とし履歴〉に絶句。年金月15万円を食いつぶした“まさかの正体”【CFPの助言】
「母さん、これ全部払ってるの?」毎月約10万円の引き落としの正体
A生命2万8,000円、B生命2万5,000円、C生命1万9,000円……。毎月、複数の保険会社への引き落としが並び、合計するとその額は約10万円。年金収入の3分の2が、保険料に消えていたのです。
さらに話を聞くと、保険金の手続きをしてくれた営業担当者に勧められるまま、一時払いの終身保険に加入していたこともわかりました。保険料900万円で死亡保険金1,000万円を受け取れると聞き、清さんの死亡保険金500万円に貯蓄から400万円を加えて支払ったといいます。受取人はもちろん、哲也さんです。
「この保険金があれば、私にもしものことがあっても、あなたが困らないと思って」
昔から加入していた保険は解約せず、更新のたびに保険料が上がっても払い続け、さらに勧められるまま医療保険や認知症保険にも新たに加入していました。貯蓄を取り崩しながら保険料を払い続けた結果、残高は600万円程度まで減り、さすがに不安になって息子に助けを求めたのでした。
「保険金を残すより、母さん自身の生活に使ってほしかったよ」
哲也さんの言葉に、睦子さんは目を伏せながら言いました。
「でも、一人暮らしは不安だし、保険をやめるなんてできないわ」