年金からも税金や保険料が引かれるため、少ない支給額でギリギリの生活を送る人は少なくありません。年金を受給しながらパートやアルバイトで働ければよいのですが、年齢による「雇い止め」の壁もあるようで…。70歳でパートを雇い止めされてしまった健二さん(仮名・70歳)の事例をもとに見ていきましょう。
「探しても、探しても、仕事がない…」年金が少なくてパートを始めた70歳独身男性、突然の“雇い止め”直後に感じた「年齢の壁」【手取り11万・年金のみのリアルな生活】 (※写真はイメージです/PIXTA)

年金だけの暮らしはギリギリ…65歳でパートを始めるも、70歳で雇い止めに

毎日カツカツの生活でお金がなくなってしまう…

 

そんな不安に襲われた健二さんは、スーパーでカート回収の仕事を始めます。週3日・1日4時間の勤務で月5万5,000円ほどが収入として入ってきました。カート回収の仕事は体力も使いますが、健二さんにはとてもいい運動になっていました。従業員の人たちも優しく、働くのが生きがいになっていました。

 

経済的な余裕が生まれたことで、月2~3回は飲みに行けるようになりました。また、月に一度の給料日には、ファミリーレストランでアンガス牛のステーキを食べることが楽しみになっていました。「体が動くうちはいつまでも働いていたい」。そう思っていた健二さんでしたが、来月で70歳になるタイミングで、店長から雇い止めの通告を受けます。

 

「契約書にも書いてあるのですが、うちの会社は70歳で契約満了のルールがあるんです。僕個人としては、健二さんにはまだまだいてもらいたいのですが…」

 

契約書の内容をしっかり読んでいなかった健二さんは、突然の知らせに大きなショックを受けます。慌てて新しい仕事を探しますが、健二さんの住む地域はもともと求人が少なく、面接にすらたどり着けません。

 

「世の中は人手不足って言うけど、なかなか厳しいね…。まあ、懲りずにボチボチ探してみるよ。このまま年金だけで生きていくのは大変だからね。キミたちはまだ若いんだし、今のうちからたくさん貯金しておいたほうがいいよ」

 

そう言い残して、健二さんはお店を出ていきました。

 

厚生年金を受け取っていても、年金は手取り13万円が相場

厚生労働省「令和5年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況」によると、会社員が主に受け取る厚生年金保険の月額平均は約14万7,000円です。手取りに直すと、ここから税金や社会保険料が天引きされると、手取りはさらに目減りします。

 

健二さんのように会社員として何十年も厚生年金を納めていた人でも、「中小企業で現役時代の給与が控えめだった」「途中で離婚を経験した」といった人生の波が重なると、受給額が平均を下回ることも珍しくありません。手取り11万円という金額は、独り身で生活するにはあまりにもギリギリの金額になってしまうのです。

 

老後の生活資金に困らないためにも、年金の額面ではなくリアルな手取り額を基準にした貯蓄目標を持つことが重要です。そして、少額であっても、なるべく早いうちからコツコツとためることが心の安定にもつながります。

 

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