借金1000万円から10年で「億り人」となった、『借金1000万円から億り人 じゃない方芸人の大逆転投資術』(KADOKAWA)著者のオモロー山下氏。投資を始めて半年ほどで、“FOMO”(自分だけが取り残されているかもしれないという恐れや焦り)から〈テスラ株〉を買った結果、5000万円もの含み損を抱えるピンチに直面します。しかし、それでも同氏がパニック売りをせずテスラ株を持ち続けたのには、同社が描く壮大な「ストーリー」の存在がありました。同書より、山下氏が惹かれたテスラの魅力と、投資家を動かすストーリーの力を詳しく見ていきましょう。
焦りで飛びつき大暴落…「億り人」になった“じゃない方”芸人が、含み損5,000万円を抱えてなお〈テスラ株〉を持ち続けたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

ライバル企業との決定的な差…テスラが持つ「圧倒的なアドリブ対応力」

ここからは、テスラが他の自動運転企業とどう違うのか、少し技術的な話を掘り下げます。テスラの自動運転における最大の強みは、「カメラだけ」で走るという点です。

 

グーグルの子会社である「ウェイモ」などのライバル企業は、LiDAR(ライダー)という高価なレーダー装置を使い、事前に走行エリアを精密にマッピング(地図化)して走らせています。これは言ってみれば「決められた定期コースを走る観光バス」です。地図がない場所では走れません。

 

一方、テスラは車に搭載されたカメラとAI(ニューラルネットワーク)だけで自動運転を実現しようとしています。人間が目で見て状況を判断して運転するのと同じように、AIがカメラの映像を処理して走る。だから、地図がない初めての道でも走れるし、コストも圧倒的に安く済みます。

 

この「ルールベース(ウェイモ)」と「AIベース(テスラ)」の違いを象徴する、興味深いエピソードがあります。

 

ある日、カリフォルニアで大規模な停電が起き、街の信号が消えてしまったことがありました。このとき、ウェイモのロボタクシーは「信号が消えたら路肩に止まりなさい」というプログラムに従って一斉に停止し、広範囲で立ち往生して大渋滞を引き起こしました。

 

でもテスラの車は違いました。信号が消えているという異常事態をAIが瞬時に判断し、速度を落としながら、周囲の状況を見て慎重に走行を続けたと報じられたのです。

 

「テスラは圧倒的なアドリブ対応力がある。これはテスラが勝つな」

 

僕はそう確信しましたし、調べてみるとテスラには僕をワクワクさせるビジネスモデルが他にもいくつもあると知りました。