(※写真はイメージです/PIXTA)
「100人以上待ち」という現実
3年前、モモさんは母・ミチさんの施設を探しはじめました。ミチさんは当時79歳。脳梗塞で倒れ、要介護3の認定を受けます。一人暮らしを続けることが難しくなり、モモさんが実家に通いながら在宅介護を担うようになります。そうはいってもモモさんにも自分の生活があり、母の様子を四六時中みることはできません。
そこで、まず向かったのは、近所の特別養護老人ホーム。公的施設のため費用は収入に応じて月8万〜10万円程度が目安で、ミチさんの年金(国民年金と遺族年金を合わせて月11万円)でほぼ賄える計算でした。「ここに入れれば安心だ」と思って相談窓口に足を運ぶと、担当者はから「現在、100人以上の方が順番をお待ちです」と告げられます。
念のため周辺の特養にも申し込みを入れ、モモさんは待つことにしました。週3回のデイサービスと週2回の訪問介護を組み合わせながら、仕事との二足のわらじで在宅介護を継続。「特養に入れれば状況は変わる。もう少しの辛抱だ」。そう自分に言い聞かせながら、1年が過ぎ、2年が過ぎました。
空きが出るまでのあいだに迎えた限界
2年目の冬、ミチさんが自室で転倒して大腿骨を骨折してしまいました。入院とリハビリを経て戻ってきたミチさんは、以前より介助が必要な場面が増えていました。夜中にトイレで起き上がれなくなることも出てきて、モモさんは十分な睡眠が取れない日々が続きます。
「仕事中も頭の片隅にお母さんのことが常にある」。ランチ休憩中にも母からの電話が鳴り、会議中に着信を見て焦る毎日。会社の上司には事情を話して時短勤務にしてもらったため、収入が減りました。それでも特養からの連絡はありません。
特養申込から3年が経ったある日、モモさんは担当のケアマネジャーに正直に打ち明けました。「私、もう限界かもしれません」。ケアマネジャーは状況を聞き、こう言いました。
「特養の順番が来るのを待ち続けることも選択肢ですが、いまの状態では、民間施設への移行を先に考えたほうがいいかもしれません」
その言葉に後押しされ、モモさんは「新しい選択肢」を視野に入れることに。