40年間家族のために働き続け、退職金と貯蓄で3,000万円はあるはずだと確信していた64歳の男性。しかし、定年を機に妻から手渡された通帳の残高は、予想もしていなかった金額でした。ある男性の事例から、老後を見据えた家族との関係について考えます。
「俺が稼いだ金を何に使っているんだ!」〈年金月18万円〉〈老後資金3,000万円〉を想定していた64歳男性、思わず二度見した「貯金通帳の中身」。63歳妻の涙の告白に絶句 (※写真はイメージです/PIXTA)

退職金2,000万円と年金で安泰のはずだった老後設計

小林和夫さん(64歳・仮名)は、40年以上勤めた会社を定年退職後、関連会社に出向。再雇用制度を利用した勤務を終えようとしていました。

 

「これまでは、家のことよりも仕事が最優先でした。60歳の定年時には退職金も2,000万円ほど支給され、これからは妻と穏やかに暮らしていこうと思っていました」

 

小林さんの見込みでは、自身が受給できる公的年金は月額約18万円。これに専業主婦である妻の小林由美子さん(63歳・仮名)の国民年金を合わせれば、毎月25万円ほどの収入(額面)になり、これまでの蓄えと退職金を取り崩していけば十分に暮らせる計算だったのです。

妻が提示した通帳に記されていた想定外の残高

しかし、その見通しは、ある日の夕食後の会話によって変わることになります。

 

「仕事を辞めた後の資金計画を立てようと思い、妻に『そろそろ貯めてくれた分の通帳を見せてほしい』と切り出したんです。我が家は給与口座の管理から貯蓄まで、すべて妻に一任していましたから」

 

現役時代の貯蓄と退職金。合わせて3,000万円ほどはあると考えていた小林さんに対し、由美子さんは泣き出しそうな顔で1冊の貯金通帳を差し出しました。その残高は800万円ほど。

 

「当然、ほかにも通帳があると思って『ほかの通帳は?』と聞いたんです」

 

しかし、由美子さんは「これだけなの……」と言い、それ以上の通帳はありませんでした。由美子さんの告白によると、小林さんが毎月渡していた生活費の残りや、ボーナスからプールしていたはずの老後資金の多くが、由美子さんの実家への経済的支援に消えてしまったというのです。