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高齢者世帯が直面する「住居費」の現実
厚生労働省『令和6年度 厚生年金保険・国民年金事業の概況』によると、厚生年金保険(第1号)の受給者の平均年金月額は基礎年金を含めて15万1142円。また65歳以上・男性の厚生年金受給権者の平均受給額は月17万3033円、女性は月11万4797円。夫婦2人がともに厚生年金を受給している木村さん世帯の32万円という金額は、平均を大きく上回る水準です。
しかし、どれだけ現役時代に備えをしていても、都市部のマンション維持費の上昇スピードがそれを上回れば、家計は圧迫されます。
国土交通省『令和5年度 マンション総合調査』によると、全国のマンションにおける1戸あたりの修繕積立金の平均額は月1万3054円で、駐車場使用料などからの充当額を含めると1万3378円となっています。
一方、総戸数が多く共用設備が複雑なタワーマンションや、築年数が経過した物件では、この水準を大きく上回るケースも少なくありません。
また同調査では、修繕積立金について「計画に対して不足している」と回答した管理組合が36.6%にのぼっており、今後も全国的に値上げ圧力が続く可能性が示唆されています。
木村さんは、今後の生活を見据えて、早くも売却を視野に入れ始めているといいます。
「仲介業者に査定してもらったところ、購入時を大きく上回る金額で売れそうなことがわかりました。憧れは叶えることができた。もう一度、のんびりとした郊外の生活に戻るのも悪くないねと、今は夫婦で前向きに話し合っています」
セカンドライフの住まいとして選んだはずの高層タワーマンション。想定外の維持費に一度は頭を悩ませた夫婦でしたが、資産価値の高騰という追い風を受け、自分たちの身の丈に合った安心を求めて、新たな一歩を踏み出そうとしています。