給料はきちんと振り込まれているはずなのに、給料日前になるといつも「今月もギリギリだ」と焦ってしまっていませんか。無意識のうちに「カフェ代500円」を浪費してしまう人がいる一方で、人の信頼や協力を得たい場面での「缶コーヒー130円」には迷わず投資できる人もいます。このお金の使い方の違いが、将来の成果や資産に“決定的な差”を生むと著者は語ります。本記事では、生方 正氏の著書『副業禁止の会社員、公務員でもできるFIRE入門 節約、ポイ活からでも資産1億円を築く方法』(WAVE出版)より一部を抜粋・再編集し、リターンを最大化する「お金の使い所」について解説します。
「カフェ代500円」を浪費する人と、「缶コーヒー130円」を投資に変える人の決定的な差【40代でFIREした元公務員が解説】

打ち合せ場所で割高な「ホテルラウンジ」を“あえて”選ぶ理由

「お金」と「時間」をセットで考える私がカフェを使うときは、「仕事の打ち合せ」「情報交換」「出先で手帳や予定を整理するとき」と、あらかじめ決めています。

 

それ以外で冷たい飲み物が欲しくなったときは、ドラッグストアのペットボトルで十分ですし、見当たらなければ自動販売機で済ませます。そもそも、ルイ・ヴィトンのタンブラーに浄水器の水を入れて持ち歩いているため、外で飲み物を買う機会はほとんどありません。

 

カフェを利用する際に私が考えていることは、「支払ったコーヒー代に見合う、役立つ情報やアイデアを得る」ことです。もし得られていなければ、コーヒー代だけでなく、自分や相手の時間もムダにしたことになります。そうなると、その場に出向いた移動時間や交通費など、すべてがムダになってしまいます。

 

このように「お金と時間をセットで考えられる」ようになると、打ち合せ場所は一般的なカフェチェーンより、料金が高くサービスチャージもかかるホテルラウンジを選ぶようになります。ラウンジは静かで、席の間隔が十分保たれています。なにより、落ち着いた空間なので、自然と会話も弾みます。

 

その結果、話に集中でき、結果的に得られるリターンを高くできるのです。

「仕事で自腹を切るのはおかしい」と考える人が失うもの…130円の缶コーヒーが築いた信頼

「コーヒーやお菓子への何気ない支出が、気づかないうちに未来のリターンを削っている」一方で、「使うべき支出」も存在します。場面によっては、一見「ムダ遣い」に思えるお金が、あとになって何倍もの価値になって返ってくることがあります。

 

例えば、木枯らし吹きすさぶ真冬の屋外。冷たい風にさらされながら作業を続けると、指先は感覚を失い、集中力も、働く気持ちも削られていきます。そんなとき、先輩が無言で差し出してくれた、1本の温かい缶コーヒー。これを受け取った瞬間、冷たい手や身体が温まるだけでなく、張りつめていた空気までふっと緩む。そんな経験に覚えがある方も多いのではないでしょうか。

 

先輩が払ったこのコーヒー代は、単なる「消費」や「浪費」ではありません。人の心を動かし、関係を深めるための立派な「投資」なのです。

 

私は海上自衛隊で28年間勤務してきましたが、早期退職の3年前、幹部任官後に大きな試練に直面しました。長年、下士官として映像関連の業務に携わってきましたが、幹部教育を経て配置されたのは、それまでほとんど触れたことがないネットワークを管理する部署。まさに畑違いの世界でした。前任者は不在。引き継ぎ資料も十分と言えず、次々やってくる業務は滞り、仕事上で使う専門用語すら理解できない状態からの厳しいスタートでした。

 

そんな中、私が頼りにしたのは、私の部署の隣でネットワーク全体を統括する部隊の下士官たちでした。彼らに電話して手順を1つひとつ確認し、それでも問題を解決できないときは、現場に足を運んでもらいトラブルに対応してもらうこともありました。その際、私は必ず缶コーヒーを用意して、対応してくれた下士官に渡すようにしていました。

 

たったそれだけのことですが、休憩時間に温かい飲みものを手に会話を交わすことで、お互いの距離は目に見えて縮まっていきました。結果として、私は他の部隊よりも優先的に対応してもらえるようになっただけでなく、電話でも踏み込んだ質問ができる、信頼関係を築くことができました。

 

缶コーヒー1本130円。しかし、その1本が「本来なら頼みにくいことを頼みやすく」して、「困ったときでも、相手が快く動いてくれる空気」を作ってくれたのです。