(※写真はイメージです/PIXTA)
役割の逆転がもたらした、思わぬ副産物
定年翌朝からフル稼働し始めた博さんの生活。慣れない料理で失敗し、スーパーに急いで出来合いの惣菜で夕食を揃えたり、洗濯物を雨で濡らしてしまったりと失敗ばかりだったといいます。
しかし、1ヵ月もすると、家事がルーティンに定着。上手とはいえませんが、今では美智子さんの帰宅時間に合わせて夕食の準備を整え、掃除や洗濯もこなせるようになりました。
「定年前は家の中に会話はほとんどありませんでしたが、今は『今日のスーパーの特売』や『効率的な掃除の仕方』といった共通の話題があります。妻は私が作った料理を『美味しい』と褒めてくれる。こんなに嬉しいこととは思いませんでした」
美智子さんも、現在の状況を前向きにとらえてくれているようです。
「正直、まだまだという感じですが、想像した以上にやってくれるので驚いています。働きながら家事をすることが、どれほど大変か、少しはわかってくれたらと、軽い気持ちでお願いしたんですけど」
国立社会保障・人口問題研究所『第7回 全国家庭動向調査』によると、夫の家事時間が長い世帯ほど、妻の結婚継続意思が高いという傾向が示されています。
定年を機に「稼いでいれば家事はしなくてもいい」という意識を捨て、家庭内の役割を自ら引き受けることは、夫婦円満に過ごすための最良の選択肢といえます。