内閣府の調査によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に賛成する60代女性の割合は約4割。「夫が稼いだお金を妻が管理すること」が当たり前という認識の人は、いまだに少なくないようです。ヒデアキさん(仮名・60歳)は、現役時代に中堅メーカーの部長職として年収1,100万円を稼いでいましたが、毎月自由に使えるお金は妻からお小遣いとして渡される4万円だけでした。定年退職を迎えた日、家に帰ったヒデアキさんを激怒させた〈妻のひと言〉とは。
“月4万円のお小遣い”に30年耐え…「いい加減にしろ!」定年退職の日、〈年収1,100万円〉60歳夫を激怒させた〈妻のひと言〉 (※写真はイメージです/PIXTA)

「いい加減にしろ!」定年退職の日、夫を激怒させた〈妻のひと言〉

「退職金は老後資金として管理するから、今まで通り私が預かるわね」

 

その言葉を聞いた途端、ヒデアキさんは今までの我慢が限界を迎え、怒りの感情があふれ出てきました。

 

「馬鹿にするのもいい加減にしろ! 退職金は1円も渡さない。自分の金は自分で管理する!」

 

何十年も働き続けた自分に対して「今までお疲れ様」と労いすらなく、開口一番にお金のこと。ヒデアキさんは、退職金を散財するつもりはありません。ただ、残りの人生くらい、自分でお金を使える自由がほしかっただけなのです。

 

その翌日、ヒデアキさんは自分名義の新しい口座を作り、退職金の振込先をそこに変更しました。現在、夫婦間の会話はほとんどありませんが、ヒデアキさんに後悔はありません。

データから読み解く「世代特有のお金・働き方の価値観」

ヒデアキさんのように、高収入を稼ぎながらも家計の実権を妻に握られ、定年退職を機に長年の鬱憤を爆発させるケースは、客観的なデータに照らし合わせると、世代特有の価値観の衝突として起こり得る構図であることが読み取れます。

 

サナエさんが「誰が家を守ってきたと思っているの」と主張し、退職金の全額管理を当然のように要求する背景には、同世代の女性に根強い固定観念が影響していると推測されます。内閣府の「男女共同参画社会に関する世論調査(令和6年)」によると、「夫は外で働き、妻は家庭を守るべきである」という考え方に賛成する割合は全体で33.1%ですが、サナエさんと同じ「60代女性(60〜69歳)」に限ると39.2%と約4割に増加します。

 

「男は外で稼ぎ、女は家を守り財布を握る」という価値観を強く持っている妻にとって、夫の稼いだ退職金を自身が管理するのは“正当な権利”であるという意識が強いのかもしれません。

 

しかし、現役時代をお小遣い制で耐え抜いた夫側にも、「最後くらいは自分の裁量でお金を使いたい」という切実なニーズがあります。内閣府の「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」によると、高齢期における将来的な財産の使い道について「財産は自分のために使いたい」と考える人は33.0%に上り、「遺族等へ残したい(35.9%)」に次ぐ高い割合を示しています。

 

ヒデアキさんが怒りを爆発させ、退職金を死守したのは、決して自己中心的な散財が目的ではありません。長年「家計を支えるための稼ぎ手」として扱われてきたことへの反発であり、残りの人生における「経済的自己決定権」を取り戻すための、ヒデアキさんなりの切実な行動だったと受け取れます。

 

「夫が稼ぎ、妻が財布の紐を握る」という体制には、妻側の特権意識が夫の尊厳を軽視した瞬間、定年退職というライフイベントを機に崩壊するリスクが隠れています。今回の事例とデータは、そんな長年の我慢のうえに成り立つ夫婦関係の危うさを教えてくれるのかもしれません。

 

[参考資料]

内閣府「男女共同参画社会に関する世論調査(令和6年)」

内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」

 

【短期償却】5月20日(水)オンライン開催

《所得税対策×レバレッジ投資》
インフラ活用で節税利益を2倍にする方法

 

【資産運用】5月23日(土)オンライン開催

《想定利回り16%×減価償却》
沖縄・宮古島の観光特需を取り込む「シェアカー投資」