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転職先での孤立と、妻の豹変
大輔さんをさらに追い詰めたのは、家庭内での味方の不在でした。転職先の職場では「東京から来た余所者」として、なかなか輪に入れず、ストレスが溜まっていました。その状況で義母から、「東京の人は冷たいわね」「そんな働き方では出世できないわよ」と、自身の価値観に基づいた批判を繰り返されます。
妻に助けを求めても、返ってくるのは期待した言葉ではありませんでした。
「お母さんは良かれと思って言っているの。せっかく移住したんだから、もっとこの土地に馴染む努力をしてよ」
大輔さんの孤立に気づこうとしない妻。それどころか、次第に言葉遣いや考え方が美津子さんに似ていく妻を見て、大輔さんは「ここは自分の居場所ではない」と確信したといいます。
そして移住からちょうど3ヵ月が経った週末。義母が、大輔さんの許可なく離れのクローゼットを整理し、「こんな派手な服はもう捨てなさい」と説教を始めたとき、大輔さんのなかで、ぷつんと糸が切れました。
「もう無理だ。お義母さんとは、一緒に暮らせない」
大輔さんは最低限の着替えだけを鞄に詰め込み、妻と義母が呆然とするなか、夜の新幹線に飛び乗りました。
「新幹線が東京駅に着いたとき、『帰ってきた』とホッとして。私には、少々遠いと思うくらいの距離感のほうがあっているのかもしれません」
その後、大輔さんは正式に辞表を出し、知人の伝手で再就職活動を始めました。妻がこのまま実家での暮らしに固執するなら、離婚もやむ得ないと考えているといいます。