日本年金機構の「令和6年度 事業実績報告」によれば、現役世代の納付率は改善傾向にあるものの、依然として「未正規雇用」や「フリーランス」といった不安定な労働環境にある層の未納が社会課題となっています。夫婦で年金月額19万円を受け取り、穏やかな隠居生活を送っていたヨシヒコさんとサナエさん。二人の自慢は、東京でバリバリ働いているはずの長女・アカリさんでした。しかし、ある日届いた「一通の封筒」が、その平穏を打ち砕きます。※人物名はすべて仮名です。
お母さんには知られたくなかったな…年金19万円の60代夫婦のもとへ、年金機構から「東京で働いているはずの娘」が宛名の「赤い封筒」が届いたワケ (※写真はイメージです/PIXTA)

年金機構が送る「封筒の色」の階段

1.青・白の封筒:初期の「催告」

未納が発生してから数ヵ月。まずは「お忘れではありませんか?」というニュアンスで届きます。この段階で「免除」や「猶予」の申請をすれば、差し押さえに発展することはありません。

 

2.黄色の封筒:警告の開始

督促を無視し続けると、注意を促す「黄色」に変わります。この段階で、機構は電話や戸別訪問による「納付指導」を開始します。

 

3.赤色の封筒:最終警告(特別催告状)

これが届いたということは、機構側は「悪質な未納者」または「支払い能力の調査が必要な対象」と判断したことを意味します。放置すれば、銀行口座や給与の差し押さえが予告なく行われる段階です

親の「老後資金」からの代位弁済

サナエさんは自分たちの貯蓄から20万3,760円を立て替えて一括納付することを決断しました。

 

「いますぐ東京の生活を引き払い、地元に戻って再就職しなさい」

 

アカリさんは、見栄を張って孤独に耐えてきた東京生活に限界を感じていたこともあり、この条件を飲みました。アカリさんは現在、地元の地方銀行の契約社員として働きながら、実家で両親と暮らしています。東京での生活の後始末をしながら、納付を肩代わりしてくれた両親への返済を続け、再就職したことで現在は厚生年金に加入することができました。

 

日本年金機構の「徴収対策」は、2020年代に入りさらに強化されています。特に「特別催告状」まで至った場合、本人と連絡が取れないと判断されれば、親族への「居住確認」や「協力要請」という形で実家にコンタクトが取られるケースは珍しくありません。

 

アカリさんが実家に赤い封筒が届くまで事態を放置してしまった理由は、「両親の期待に応えられなかった自分」を認めるのが怖かったからでしょう。19万円の年金で暮らす両親にとって、20万円の出費は決して小さくありません。しかし、その20万円で娘の社会的破滅を防ぎ、バラバラになりかけていた家族を引き戻せたのであれば、それは価値のある「家族の修復費用」だったといえるのかもしれません。

 

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