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「仕事だけの人生は避けたい」40代から着実に進めていた資産形成
元会社員のトオルさん(仮名・65歳)が、「60歳での早期退職」を明確に決意したのは50代前半のことでした。ただ、将来の自由な生活に向けた資金づくりは、もっと前から着実に進めていたといいます。
「若いころから、仕事だけの人生は避けたいと漠然と思っていました。早く会社を辞めて自由になるにはお金が必要ですから、しっかり貯蓄しなきゃと」
トオルさんは結婚後、妻と協力して生活費をコントロールし、地道に貯金に励みました。さらに40代からは、毎月のお小遣いの一部やボーナスを投資信託での長期積み立てに回したそうです。
「途中で相場が動くこともありましたが、一喜一憂せずに長期目線でコツコツと積み立て続けました。その結果、少しずつですが着実に資産が増えていきました」
「あの人生は幸せだったのだろうか…」先輩の死で痛感した人生のタイムリミット
堅実な蓄財を続けていたトオルさんですが、50代前半のころ、職場でとてもお世話になった5歳上の先輩を突然亡くすという出来事がありました。
その先輩は仕事熱心で、後輩の面倒見もよく、周囲から慕われていました。
「毎日のように残業して、休日出勤も珍しくありませんでした。本当に忙しそうに働いていたのですが……。50代半ばで突然、帰らぬ人となってしまったんです」
この先輩の急逝をきっかけに、トオルさんは自分の「時間」の価値を痛感することになります。
「たまに飲みに行ったときは、定年したらあれこれやりたいと話していたのに……。仕事だけで終わってしまった先輩の人生は、本当に幸せだったのだろうかと考えるようになりました」
そう疑問を抱くようになったのは、この出来事からです。「元気な時間は有限」と気づき、60歳になったらリタイアしようと心に決めたトオルさん。