老後の生活基盤となる「年金制度」。将来的には制度が破綻するのではないかといった懐疑的な意見や、世代間で保険料の支払額と受給額の差が大きく不公平であるといった意見が飛び交い、何かと話題には事欠かない制度です。本稿では、企業年金制度と投資教育を専門として活動しているFPの山崎俊輔氏による著書『老後に4000万円って本当ですか? 物価が上がる時代の退職後資産の考え方』(日経BP・日本経済新聞出版)より一部抜粋・再編集し、年金制度の批判でよく見る「払った分の保険料が戻ってこない」という主張の誤解について解説します。
払った保険料分すら戻ってこないのか!〈年金制度〉のお門違いな批判…「1,000万円の損」が“偏った主張”であるワケ【FPが解説】 (※画像はイメージです/PIXTA)

年金額の損得論は無意味…ほとんどの人は「払った分の回収」が可能

物価上昇などの社会変化が生じるとき、金額ベースの損得を議論することも意味がありません。

 

「自分の現役時代の所定の保険料を納めれば、自分の老後の頃の物価上昇に見合った年金額がもらえる」そして「それはどんな長生きも保障する」ということを考えるべきなのです。

 

なお、「老後4000万円」の時代がやってくると、年金額は金額としては増えていきます。物価上昇に応じた引き上げがあるからです。

 

20~30年前に払った保険料は当時の給与水準に応じて計算され、年金額は実際の老後のタイミングの物価水準に応じて計算します。

 

その差は広がっていきますので、物価上昇時代はほとんどの人は払った社会保険料分の回収ができる老後となるはずです(これもデフレ期の破たん論ではほとんど指摘されなかったことです)。

 

 

山崎 俊輔

フィナンシャル・ウィズダム代表

ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザー