(※写真はイメージです/PIXTA)
老後の前半に退職金の半分が消えた
ある日、モモコさんは老後のリフォーム資金の確認のために通帳を開き、愕然としました。
「こんなスピードで退職金を減らしてしまって、どういうつもりなの!? この先、どうするつもりなの……!」
古くなったクラブの買い替え、ゴルフ仲間に見劣りしないための新しいウェア、付き合いの酒代……。さらには年金だけでは賄いきれない日常の生活費もあいまって、退職金4,000万円はみるみる減り、10年間で実に2,000万円超、退職金のおよそ半分もの大金が消費されていました。
モモコさんの怒りに、トモカズさんは項垂れるしかありません。
「……ゴルフに呼ばれなくなるのが、怖かったんだ。断ったら、俺にはなにも残らないような気がして」
サンクコストと社会的孤立
トモカズさんのケースは、高年収だった元ビジネスマンが陥りやすい「アイデンティティの喪失」を象徴しています。
「会社経費」という感覚の麻痺
長年、会社のお金で高額なサービスを受けることに慣れてしまうと、金銭感覚のリセットは非常に困難になります。トモカズさんにとって、1回4~5万円のゴルフは「かつての日常」であり、それを自腹で払うことが「現役を続けている証明」になってしまっていました。
サードプレイスの欠如
現役時代に仕事以外の人間関係を築いてこないと、退職後に「元・〇〇社の部長」という肩書きが通じる場所にしがみついてしまいがちです。「肩書を呼ばれなくなる恐怖」は、社会的な死を意味するため、家計が破綻しかけてもブレーキが利かなくなります。
豊富な退職金による油断
退職金4,000万円は、一般的な世帯からみれば高額です。さらに、トモカズさんには退職金以外の貯蓄もあるため、多少の浪費ぐらいはと、生活費プラスアルファ月12万円もの支出を過小評価してしまいました。
トモカズさんにとっての12万円は、ゴルフという趣味によって得られる充実感による対価ではなく、「かつての自分」を維持し続けるための支出だったのでしょう。しかし、このまま年金以外の収入がない状態で、資産の取り崩しをいまのペースで続けていれば、医療費や介護費が増大する80代以降において、家計の致命傷になりかねません。トモカズさんにいま必要なのは、人に合わせてゴルフに行くことではなく、「肩書きがなくても自分を歓迎してくれる場所」を探し、支出の基準をいまの身の丈に合わせる勇気です。
【注目のウェビナー情報】
【短期償却】5月9日(土)オンライン開催
《所得税対策×レバレッジ投資》
インフラ活用で節税利益を2倍にする方法
【相続×資産運用】5月13日(水)オンライン開催