(※写真はイメージです/PIXTA)
甘く見ていた地方の「車社会」…想定外だった“1人1台”の現実
「もちろん地方なので車社会なのは覚悟していて、家族用に1台持ってきたんです。でも、まさか1台じゃ生活できないなんて想像もしていませんでした……」
家の周辺は公共交通機関がほとんど機能しておらず、どこへ行くにも車が必要不可欠。当初は「家族で1台あれば大丈夫だろう」と考えていたサトシさん。しかし、車で通勤してしまうと、残されたミカさんは日中の買い物や子どもの病院、さらにはパート通勤すらできなくなってしまったのです。
結果として、サトシさんの通勤用とミカさん用として、夫婦でそれぞれ車を所有しなければ生活が成り立ちませんでした。慌ててミカさん用の中古の軽自動車をローンで購入したため、家計への負担はさらに増えてしまったのです。
車2台分のガソリン代をはじめ、毎年の自動車税、自動車保険料、そして定期的な車検代やタイヤなどの消耗品代を合わせると、車両のローン返済を除いた純粋な維持費だけでも年間で約80万円に達しました。
さらにサトシさんを悩ませたのが、日常的な買い物でした。近所にあるスーパーは競合店がないためか、都市部のスーパーよりも物価が高く、食費も決して安くは済みませんでした。
「確かに家賃は下がりました。でも、ガソリン代と保険料、それに意外と高い食費で家計は毎月カツカツです。子どもの将来のために移住したのに、まったく貯金ができないなんて本末転倒です……。これなら都会にいたほうがマシでした」
生活コストを下げるという最大の目的が果たせず、サトシさん夫婦は不安な日々を送っています。地方移住に伴う車社会の現実を甘く見ていた結果、余裕のない生活を強いられています。
[参考資料]
総務省「移住相談窓口等において受け付けた相談件数(令和5年度)」
国土交通省「二地域居住等の最新動向について(2023年)」
内閣府「令和6年度 高齢者の経済生活に関する調査結果」